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テレワークの『サボり』を防ぐために企業側が出来ることは?
テレワークでサボる従業員がいると生産性が落ちる原因となります。
そのため、サボりづらい仕組みを導入し、一人ひとりがしっかりと自分の仕事を全うするようにしましょう。
この記事ではテレワークのサボりを防ぐために企業側ができる対策について解説します。
目次
テレワークのサボりを防ぐために企業側が出来る対策6選
テレワークでサボりを防ぐためにすぐにできる対策として、成果物の提出や社内コミュニケーションの活性化などがあります。
また、テレワークが長期化する場合は、雇用形態や評価制度の変更などを検討してもよいでしょう。
1. 成果・進捗報告の義務化
その日に終わらせるべき仕事を事前に決め、進捗や成果の報告を義務化することで、仕事をサボることが難しくなるでしょう。
方法としては、当日の朝、上司から部下に業務内容を連絡し、当日の終業時間までに日報を提出させるという方法です。
毎日報告が必要となることで、サボりの抑止力としての効果が期待できます。
また、上司と部下でともにやるべき業務内容が明確になる点もメリットです。
ただし、メンバー間で仕事に偏りが出ないように工夫が必要なほか、1人当たりの業務内容が少なすぎると、早めに仕事を終わらせ残りの時間はサボってしまう可能性もあります。
そのため、適切な仕事量の割り振り方に注意が必要です。
2. 社内コミュニケーションの活性化
コミュニケーションが減ると会社に所属している意識や、モチベーションの低下に繋がってしまいます。
また、仕事を進めるうえで疑問や質問があってもすぐに解決できない状況では、仕事が進まずサボってしまう原因となるでしょう。
これらの問題を解決する方法が社内コミュニケーションの活性化です。
テレワークでも、オフィスに居た時のように気軽にコミュニケーションが取れれば、仕事を進めやすい環境が生まれるだけでなく精神的な満足感にも繋がります。
そのため、結果としてサボりの防止効果が期待できるでしょう。
チャットツールやウェブ会議ツールを使って、手軽にコミュニケーションが取れる環境を整備しましょう。
3. Webカメラを常時起動させる
テレワークでは、自分以外働いている人が視界に映らないことや人目がないこともサボりやすくなってしまう原因です。
そのため、業務中はWebカメラを常時起動させるようにすれば、周りの目が気になるため、サボり防止に大きな効果が期待できます。
また、自分以外にも働く人の様子が見える環境は、モチベーションの維持にも繋がるでしょう。
とはいえ、この方法だと監視されているように感じる人もいるため、大きなストレスとなってしまう場合があります。
そのため、時間帯を決めて全員がWebカメラを起動させるなど、チームの状況に合わせ柔軟な方法を検討することをおすすめします。
4. フレックスタイム制を導入する
9時~18時までのように労働時間を固定すると、仕事が早く終わっても時間を拘束されます。
そのため、結果として「サボる」という意識が生まれてしまいます。
仕事が速く終われば業務を終了し、長く働きたい時は時間をかけてよいなど、従業員自身が自由に労働時間を設定する「フレックスタイム制」を導入することで、「サボる」という意識が薄れることもあります。
また、仕事が終われば早く退勤できるとなると、生産性の向上に繋がる可能性もあるでしょう。
コアタイムにはWebカメラを起動させるなど、他の方法と一緒に活用することで、テレワークのサボりを防ぎながら生産性を向上することもできるでしょう。
5. 人事評価を定量評価に変更する
人事評価制度は、主に次の2つに分かれます。
・定性評価:仕事への取り組み方や姿勢を評価する方法。
・定量評価:数値化できる基準の達成度合いを評価する方法。
テレワークは「定量評価」と相性が良く、実際にどの程度仕事をしているか評価することでサボりを防止できるでしょう。
そのため、今後もテレワークを継続する場合は、人事評価制度を見直してみるのも方法の1つです。
また、「定量評価」を導入する際は、仕事時間やタスクの完了率を確認できる「仕事管理ツール」を合わせて導入すると、1日当たりどの程度の仕事をしているのか視覚的に確認できるためより効果的です。
6. 雇用形態を「ジョブ型」に変更する
仕事の仕方により雇用形態は次の2つに分けられます。
・ メンバーシップ型:職務の内容が明確化されておらず、全員で協力して業務を進める。人に仕事を割り振る方法。日本で一般的。
・ジョブ型:各自の職務が明確化されており、一人ひとりが与えられた業務を全うする。仕事に人を割り振る方法。アメリカなど諸外国で一般的。
現在日本で主流な「メンバーシップ型」の雇用では、誰がどの仕事を担当しているか、基準が不明確です。
テレワークに移行しても「自分の仕事」という意識が薄く、サボる原因となってしまうのです。
そのため、今後もテレワークを活用するなら、責任の所在が明確な「ジョブ型」雇用に変えてしまうというのも、サボりを防ぐ手段の1つといえるでしょう。
サボりの過度な監視はストレスの原因になる点に注意
では、実際にテレワーク中に仕事をサボっている人はどの程度いるかについて、マイナビニュース会員181名を対象に行った調査によると、約7割の人がテレワーク中にサボったことがあると回答しました。(年齢・性別非公表)[注1]
[注1]マイナビニュース 「テレワーク中にサボったらどんな処分がある? 対策について専門家が解説」
サボった内容については、下記の通りとなり、人により「サボり」の定義が曖昧であることも分かりました。
・動画サイトを視聴した
・昼寝した
・お菓子を食べた
・コーヒーブレイク
また、株式会社フーラボの行った調査では、20代の44.4%、30代の34.8%が「テレワーク時、サボっていると思われるのではないかとストレスを感じている」と回答しています。[注2]
[注2]株式会社ヌーラボ「テレワークと“サボり”の関係性に関するアンケート調査」
そのため、サボりを防止する際は過度な監視とならないように注意し、なにがサボりに当たるのか、基準を明確にすることが企業と従業員、ともにストレスなくテレワークを進めるコツといえるでしょう。
テレワークでサボってしまう3つのケース
テレワークはオフィスワークと違い、すぐに人に聞けません。
また、自宅という誘惑の多い環境で仕事をしないといけないことも、サボってしまう原因の1つといえるでしょう。
1. 仕事の進捗状況が把握できない時
仕事の進捗状況報告など客観的に判断できる基準がなければ、テレワークはサボりやすくなってしまうでしょう。
例えば、早めに仕事が終わっても黙っていれば時間をやり過ごせてしまいます。
そのため、進捗状況を管理するツールを導入するほか、時間がかかり過ぎている仕事がないかの確認も必要です。
2. コミュニケーションが取りづらい時
テレワークに移行したもののレスポンスに時間のかかるコミュニケーションツールを使っていたら、オフィスと同じテンポで仕事をすることはできません。
例えば、抱えている仕事が全てレスポンス待ちとなってしまったら、結果として「サボる」以外やることがなくなってしまうでしょう。
そうならないためにも、テレワークに移行する際はチャットツールを導入するなど、コミュニケーションが取りやすい環境を整えることも必要です。
3. 自己管理が難しい時
オフィスと違い自宅は集中力を妨げる誘惑が多いといえます。
また、上司の目もないためサボる気になればいくらでもサボれてしまうでしょう。
そのため、自制心の強い人ならともかくそうでない人にとってテレワークはオフィス以上に自己管理が必要です。
もし、テレワークをさせることに不安のある従業員がいるなら上長がWebカメラを繋ぐなど、個別に対策をとってもよいかもしれません。
テレワークのサボり防止に使えるツール
Web会議ツールやチャットツールだけでなく、スタッフのPC操作記録を報告するツールも登場しています。
テレワークのサボりを防止するのに役立つITツールについて解説します。
Web会議ツール
パソコンやスマホを使って場所を問わず互いに顔を合わせてコミュニケーションが取れるツールです。
テレワーク中でもスタッフ同士表情や声を確認しながら話しができるため、孤独感の解消にも役立つでしょう。
また、賛否両論あるもののテレワーク中は常時カメラを起動させるようにすれば、強力なサボり防止効果を発揮します。
チャットツール
チャットツールは文字入力でコミュニケーションが取れるツールで、「LINEWORKS」や「Chatwork」、「Slack」などのサービスがあります。
1対1から複数人同時の会話までできるため、メール以上に手軽に使えます。
文字だけでなく画像や資料の添付など情報共有にも優れるため、テレワークのコミュニケーションを円滑に進めるうえでなくてはならないツールといえるでしょう。
時間管理ツール
チームメンバーの稼働状況やタスクを見える化し、一元管理できるツールです。
全員で業務内容が確認できるため、仕事を割り振りする際にも役立ちます。
ある程度情報が集まれば時間がかり過ぎている作業も確認できるため、サボりを特定できるだけでなく業務の改善にも役立つでしょう。
監視ツール
パソコンの動作状況やアクセス状況の確認、Webカメラを起動させ数分おきに自動で画像を撮影するなど様々な機能があり、強力なサボり防止機能のあるツールです。
企業側ができるさぼり対策として大きな効果が見込めるものの、従業員の過剰なストレスとなる可能性が高いため、導入の際は利用目的の詳しい説明が不可欠でしょう。
テレワークのサボりは運用方法を工夫して防ごう
テレワークで従業員がサボってしまう理由は、「サボれる環境だから」という理由が大きいでしょう。
とはいえ、これはオフィスワークでも同じことです。
そのためサボりを防止するためには、テレワークの運用方法を見直してみることが大切です。
コミュニケーションを取りやすい環境に整えるなど、まずはサボりづらい仕組みを導入してみましょう。
それでも改善が見られない場合は、パソコンの動作確認ツールを導入するなど、強制力の強い対処方法を検討してみてもよいでしょう。