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法人携帯は経費として計上できる?処理方法について解説
個人事業主や法人の方で携帯電話代を経費にしたいとお考えの方は多いのではないでしょうか。
そもそも携帯代は経費になるのでしょうか。
実は携帯電話代は、全額経費にできる可能性もあります。
今回は事業に用いる携帯電話代を経費としてどう扱うかを解説します。
個人携帯は事業に関わる費用のみ経費として処理可能
個人携帯を業務に使用している場合であっても、経費として処理可能です。
ただし、個人携帯の場合、業務上発生した通話料や通信費といった事業に関わる費用のみが対象になります。
例えば、個人携帯をプライベートに8割、仕事に2割使ったとします。この場合、経費として処理できるのは業務に関わるメールや電話に使った2割のみです。もしその事実を偽って経費処理した場合、脱税として罰せられる可能性もあります。
しかし、個人携帯をどれだけの割合で業務に使用したかを把握することは容易ではありません。
そのため、おおまかに処理しているケースがあると考えられます。
それでも明細などを詳細に保管したりと個人事業主や法人の経理担当者にとっては大変な作業となる場合も多いでしょう。
法人携帯で経費処理する方法
法人携帯で発生した費用を経費として処理するには、携帯料金を会社から支払う必要があります。
そのため、法人口座からの振替もしくは法人カードで支払うようにしましょう。
会社が所有している携帯電話を社員に貸し出しているのと同等の状態にすることで、支払った携帯料金は「通信費」として仕分けられ、経費として処理できます。
キャリアによっては個人事業主が契約可能な法人携帯もある
法人携帯は法人が契約することが前提です。
ですが、キャリアによっては個人事業主であっても契約できる法人携帯もあります。
個人事業主が法人携帯の契約を結ぶうえでは、青色申告書、開業届どちらかが必要になるケースがあります。
スムーズな契約のために、契約に対応しているキャリアに事前に確認しておきましょう。
当社でも個人事業主様で法人携帯をご契約いただけますので、ご検討中の方はお気軽にお問合せくださいませ。
個人事業主が法人携帯を経費処理する場合
個人事業主が法人携帯を経費として処理する場合、「通信費」に加えて「事業主貸」という勘定項目を使用します。
事業主貸とは、個人が支払うべき経費を、会社として立て替えて支払ったという意味です。
例えば、契約した法人携帯に6万円の携帯電話代が発生した場合、3万円を通信費として、残り半分を事業主貸として経費処理するということです。
法人携帯を経費として処理する際の注意点
法人携帯であれば、個人携帯より携帯電話代を経費処理しやすい傾向にあります。
ですが、法人携帯であっても携帯電話代を経費として処理する際の注意点があります。
1.携帯本体代などは勘定項目が異なるケースがある
本体の機種代やスマホケースなどのアクセサリー代も経費として処理が可能です。
ただし支払い方法によって勘定項目が異なります。機種代は分割して支払うのであれば、通信費と合算して処理可能です。
もし一括で支払った場合や、アクセサリー類を別途購入した場合は、消耗品費として処理する場合が多いです。
2.携帯電話代の明細は保管し、常識の範囲内で経費処理する
契約先キャリアから毎月送られてくる携帯電話代の明細は保管しておくようにしましょう。
毎月事業に必要な費用として支払っている事実が証明できることが大切です。
一方、携帯電話代の経費処理は常識の範囲内で行ないましょう。
例えば事業に関係ない家族が使用している携帯電話は経費としての処理が認められません。
法人携帯を使うその他のメリット
法人携帯にすることで携帯電話代を経費として処理可能で、経理がスムーズになり節税対策になるというメリットをお伝えしましたが、その他にも法人携帯のメリットはあります。
通信費の削減
法人携帯にすることの大きなメリットは通信費を削減できるということです。
社内連絡や社外への通話を個人携帯で行い経費として処理していたら、会社が支払う費用は膨らんでくるはずです。
特に社内連絡を頻繁に行う場合は、通信費はかなりの負担になるでしょう。
法人携帯であればその多くが国内通話24時間無料となっています。
また、さまざまな割引やポイント還元があり、通信費の削減にもなります。
大手キャリアが提供する法人向けプランは、月額3,000円前後となっています。
情報漏洩防止と一括管理
個人携帯を業務で使用する場合、退職後に外部から個人携帯へ連絡が入ってしまい、それによって機密情報が漏れてしまうリスクが考えられます。
また、個人携帯に企業情報や、取引先とのやり取りなどが残ってしまう事も考えられます。
個人携帯の場合、業務から離れた際にその携帯を回収することは難しいですが、法人携帯であれば回収できます。
その他にも、個人携帯の紛失による個人情報漏洩も考えられます。
一般に法人携帯には「法人専用管理画面」があり、契約中の端末を一括に管理することが可能です。
携帯電話のロックを依頼することもでき、万が一の時も個人情報漏洩を防止できます。
このように、法人携帯であれば一括管理によるさまざまな対応も可能で、情報漏洩のリスクにも備える事ができます。
情報漏洩の経緯からみる法人携帯のセキュリティ効果
特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が発表した「2018年度情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」」によると、情報漏洩の最大の原因として、「紛失と置き忘れ」が報告されています。
同原因は全体の1/4を占めています。
法人携帯の場合、置き忘れを含む紛失が発生した場合、迅速な報告体制が整っていれば遠隔ロック機能によって、携帯電話の利用を停止できます。
情報漏洩のリスクを軽減できるでしょう。[注1]
[注1]2018年度情報セキュリティインシデントに関する調査報告
アフターフォローが充実している
法人携帯の場合、個人携帯よりもアフターフォローが充実しているケースがほとんどです。
契約先にもよりますが、故障や水濡れが発生したときに代替機を貸し出してくれるサービス、定期的にプランの見直しを行ってくれるサービス、データの移行やバックアップの代行サービスなどがあります。
できるだけ通常業務に支障をきたさず導入したいという企業にも適しているでしょう。
社内での情報共有が進む
法人携帯を利用することで、グループウェアを活用する頻度が高くなり情報共有が進み、社内のコミュニケーションが促進されるでしょう。
個人携帯であってもグループウェアの利用は可能ですが、なかには仕事とプライベートを分けるという点で利用に消極的な人がいるかもしれません。
また、セキュリティ面から個人携帯でのグループウェア使用を認めていない場合もあります。
一方、法人携帯であればプライベートと切り離せるうえに、セキュリティを一括管理できるためグループウェアが使用しやすいでしょう。
携帯電話は経費として処理できる
携帯電話代は経費として処理できます。
しかし、あくまでも事業に関わる分だけで、個人携帯でプライベートと兼用している場合は、全額を経費として処理できません。
そこで、法人携帯にすることで全額を経費として処理できる可能性があるだけでなく、節税対策も期待できます。
また経理の手間が省けるなど、個人事業主の方や経営者の方にとっては他にもメリットが多く嬉しい法人携帯です。
普段から携帯電話を仕事によく使うけれど、個人携帯を使っていると言う方はぜひ法人携帯の契約も検討してみてはいかがでしょうか。
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