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個人事業主は法人携帯を契約できる?メリットから機種変更の方法まで
個人事業主が持つ携帯は、仕事用とプライベート用に分けるのがおすすめです。仕事用の携帯を法人携帯にすれば、ビジネスに役立つさまざまなメリットを受けられるでしょう。法人携帯を契約するメリットや端末の選び方を紹介します。
目次
個人事業主の携帯は2台持ちにすべき?
(出典) unsplash.com
個人事業主が携帯を2台持てば、個人用と仕事用で使い分けが可能です。携帯を2台持ちする主なメリットを紹介します。
目的に合わせて使い分けできる
個人事業主が携帯を2台持ちすると、目的に合わせて携帯を使い分けられます。仕事用とプライベート用に分ければ、連絡をより迅速に処理したりデータの混同を防いだりすることが可能です。
携帯を使った連絡手段としてLINEを利用している人も多いでしょう。携帯を2台持てば、それぞれの携帯で個別のLINEアカウントを作れます。
プライベートのLINEアカウントを仕事で使うのに抵抗がある人も、アカウントが2個あればプライベートのアカウントを仕事関係の人に知らせる必要がありません。
オンとオフのメリハリが生まれる点も、携帯を2台持つメリットです。仕事をしていない時間帯は仕事用の携帯を使わないようにすれば、休むときにしっかりと休めるでしょう。
SNSの連携が防げる
近年は電話番号と連携して利用できるSNSが増えています。携帯の連絡先に新たな電話番号を登録した後、SNSの友だちや友だち候補が増える経験をした人も多いでしょう。
1台の携帯を仕事とプライベートで使い回す場合、仕事中に連絡先を交換した人がSNSと連携するケースがあります。プライベートでしか使わないSNSに仕事関係の人から友だち申請を受けると、断り切れずに困る事態にもなりかねません。
携帯を2台持てばSNSアカウントを分けて使えるため、追加した電話番号とSNSの連携を防げます。仕事とプライベートの両方でSNSを活用したい場合も、携帯の2台持ちがおすすめです。
充電切れのリスクが下がる
個人事業主が携帯を2台持っていれば、充電が切れるリスクを軽減できます。1台が充電切れになっても、もう1台が使えるためあわてずに済むでしょう。
携帯を1台しか持っていない場合、友人との会話や動画視聴などに夢中になり過ぎて充電が切れると、仕事の電話が来たときに受けられないという事態を引き起こしかねません。
充電切れだけでなく、片方の携帯が突然故障してしまったケースでも、もう1台あれば安心です。充電切れや故障のリスクに備えたい場合は、携帯の2台持ちを検討しましょう。
個人事業主でも法人携帯の契約は可能?
(出典) photo-ac.com
法人携帯は個人事業主でも契約できるのでしょうか。個人事業主が法人携帯を契約する方法について解説します。
青色申告をしていれば契約できるケースも
個人事業主は法人ではないため、基本的には法人携帯を契約できません。ただし、青色申告をして『みなし法人』と認められれば、契約できる可能性があります。
青色申告で確定申告を行うには、税務署に『青色申告承認申請書』と『開業届』を提出しなければなりません。青色申告は税制上の優遇措置も受けられるため、白色申告をしている人は青色申告で確定申告を行うのがおすすめです。
ただし、青色申告をしても必ず法人携帯を契約できるとは限りません。キャリアにより扱いが異なるため、事前の確認が必要です。
法人携帯を契約するメリット
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個人事業主が法人携帯を持てば、仕事を進める上でさまざまなメリットを享受できます。代表的なメリットとして挙げられるのは以下の四つです。
通話料金のコスト削減
法人携帯は個人で契約した携帯より通話料金が安くなります。一般的には、通常の通話料金から30~80%の削減が可能です。
各キャリアが提供する法人向けの格安プランにオプションを組み合わせれば、さらにコストを削減できるでしょう。従業員がいる場合は、契約台数を増やすことでもコストを下げられます。
法人プランはかけ放題が主流となっており、各通信会社がさまざまなかけ放題のプランを用意しています。この場合、法人携帯を複数台契約すれば、契約した携帯同士の通話や通信も無料になるのが一般的です。
さらに、テザリングが無料になるオプションサービスを利用すると、外出先のパソコンやタブレットを手軽にネット接続できるため、外出が多いケースで重宝します。
ビジネスで役立つツールが豊富
法人携帯を契約すると、ビジネスに役立つさまざまなツールが使えるようになります。パソコン並みの機能をアプリで備えられるため、外出中の業務で役立つでしょう。
法人携帯で利用できる便利なツールとしては、経費精算・スケジュール管理・日報作成・Webミーティング・データ共有などが挙げられます。実際に利用できるサービスはキャリアによりさまざまです。
パソコンと法人携帯を併用すれば、業務の効率化や業務環境の改善も図れるでしょう。簡単な作業は法人携帯で行い、複雑な業務をパソコンで行うようにすれば、業務をより円滑に進めていけます。
経費として落とせる
個人事業主が個人契約の携帯を仕事で使う場合、通信費として計上できる利用料金は仕事で使った分のみです。一般的には、一定比率で按分して経費計上します。
一方、法人携帯の利用料金は全額をそのまま経費として落とせます。法人携帯は仕事でのみ利用するため、利用料金を按分する必要がありません。そのため確定申告の作業が楽になります。
経費の按分は個人事業主にとってありがたいルールですが、常識的な比率で分けると損をするケースもあるでしょう。しかし、利用料金の全額を経費計上できる法人携帯を使えば、根拠のある経費を申告できるため、損をせずに済みます。
セキュリティー面が強化される
個人契約の携帯を仕事でも使うと、仕事関連の情報を個人契約の携帯で管理しなければなりません。端末の紛失や情報漏洩といったリスクに対し、基本的には自分で対策をしなければならないため、セキュリティー面が甘くなりがちです。
一方、携帯会社から遠隔管理できる法人携帯なら、端末を紛失した場合に携帯会社からロックをかけてもらえます。緊急時にとれる措置を増やせる点がメリットです。
ウイルスや不正アクセスなど外部からの脅威に対しても、法人携帯の場合はより強力なセキュリティ対策を講じられます。私用の携帯と分けて使うことになるため、プライベートでうっかり仕事のデータを送信してしまうといったリスクもありません。
法人携帯の選び方
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個人事業主が法人携帯を選ぶ際にチェックすべきポイントを紹介します。仕事で使うシーンを考えて選びましょう。
まずは料金をチェック
法人携帯を選ぶ際には、最初に料金をしっかりチェックしましょう。細部にわたり料金面を調査すれば、法人携帯のメリットを最大限に享受できます。
基本料金や端末料金だけでなく、どのようなオプションを付加するのかも大切です。利用頻度が低いオプションを選び過ぎると、トータルの料金が割高になりかねません。
契約期間と料金の関係も確認しておきましょう。プランの加入期間が契約で決められている場合は、期間内の解約や乗り換えで違約金が発生する点にも注意が必要です。
ガラケー・スマホのどちらにするか
携帯電話の種類はガラケーとスマホに大きく分けられます。通話のしやすさや価格の安さを重視するならガラケー、Webやアプリをメインで使いたい場合はスマホがおすすめです。
ガラケーは通話の品質や操作性が高いため、仕事で電話をかける機会が多い人に向いています。バッテリーの持ちがよい点や、端末自体の耐久性が高い点も魅力です。利用料金もスマホより安く抑えられます。
法人携帯でビジネスに役立つ便利なツールを使いたいなら、スマホを選びましょう。ガラケーと比べて画面が大きいため文字が見やすい点も、スマホの大きなメリットです。
スマホの場合はiPhone・Androidの違い
法人携帯をスマホにする場合は、iPhoneとAndroidの違いも考慮して選びましょう。知名度やあこがれで選ぶのではなく、仕事で使うシーンを考えて選ばなければなりません。
Appleが開発したiPhoneは専門性が高く、ほかのApple製品とスムーズに連携できる点がメリットです。セキュリティ面でも安心して使用できます。ただし、端末料金はAndroidに比べて高めです。
Androidは汎用性の高さを特徴に持ち、さまざまな種類のアプリをインストールできます。機種のラインナップが豊富で、自分に合った端末を選びやすいのもメリットです。iPhoneに比べてセキュリティが低いため、データを守るために対策を立てる必要があります。
使いやすさにも注目を
仕事で使いやすい法人携帯を選びたいなら、画面サイズに注目しましょう。画面サイズが大きい端末なら、文書作成や画像編集などの作業をしやすくなります。
端末自体の耐久性をチェックするのもおすすめです。防水・防じん・耐衝撃性に優れた端末を選べば、破損や故障のリスクを過度に考える必要もなく携帯を利用できます。
電話のかけやすさを重視したい場合は、スマホよりガラケーを選ぶとよいでしょう。ガラケーは簡単に電話をかけられる操作性の高さが魅力です。スマホのように操作を迷ったり間違えたりするリスクも回避できます。
法人携帯を契約する際に必要な書類は?
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個人事業主が法人携帯を持つためには、契約時にどのような書類を提出する必要があるのでしょうか。事前に準備すべき書類について解説します。
個人事業主であることの確認書類
個人事業主が法人携帯を契約しようとする場合、まずはみなし法人として認められなければなりません。個人事業主である事実を証明する書類を、できる範囲で用意しておく必要があります。
準備すべき書類は『納税申告書』『開業届証明書』『印鑑登録証明書』の三つです。印鑑登録証明書は、発行から3カ月以内の原本を用意しましょう。
青色申告書の控えや営業所の住所確認書類、銀行口座の名義・番号を確認できる書類も必要です。営業所の住所は、公共料金や社会保険料などの領収書で証明できます。
個人契約と同じ本人確認書類
法人携帯の契約時には、本人確認書類の提出も必要です。個人契約で用意するのと同じ本人確認書類を準備しましょう。一般的に次の書類が本人確認書類として使えます。
・運転免許証
・運転経歴証明書
・パスポート
・健康保険証
・マイナンバーカード
・身体障がい者手帳
・療育手帳
・精神障がい者手帳
本人確認書類は原本を用意しなければなりません。原則としてコピーは不可です。健康保険証を提出する場合は、『住民票記載事項証明書』『公共料金領収書』『官公庁発行の印刷物』のうち、いずれかの添付を求められる場合があります。
※上記で紹介した書類はあくまで一例です。契約前には、必ず各キャリアに確認しましょう。
法人携帯の機種変更をしたい場合
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法人携帯を使い続けていると、ほかの機種に変更したくなる場合もあるでしょう。法人携帯の機種変更をする際に気を付けておくべきポイントを紹介します。
来店もしくはオンラインで手続きが可能
法人携帯の機種変更は、近くのショップに来店するか、オンラインで手続きを行うことが可能です。ショップに来店する場合は待ち時間を短縮するために、予約を入れてからショップに行くのがおすすめです。必要書類を用意するのも忘れないようにしましょう。
また、代理店の場合はキャンペーンなどのイベントを行っていることもありますので、代理店のキャンペーンも、機種変更の際にはチェックしてみましょう。
オンライン上での機種変更は、直接来店する手間が省けますし、在庫を店舗よりも多く抱えている可能性もあります。ショップに行く時間がない場合や、対面での手続きが面倒な場合は、オンラインで手続きを進めるのがよいでしょう。機種変更後の端末は自宅や事業所に配送してもらえます。
機種変更を専門としている業者であれば、契約店で機種変更を行うケースに比べ、利用料金が安くなる場合もあります。
契約期間の定めに注意
法人携帯のサービスには、契約期間を定めているプランがあります。2年や3年などの契約期間を定める代わりに、毎月の利用料金が安くなるサービスです。
機種変更の場合、違約金はかかりませんが、MNP(番号そのままに他社への乗り換え)やプラン変更、他の人に譲渡する場合は違約金がかかる可能があります。
違約金が発生しない場合も、機種変更を行えば新たに端末を購入することになるため、月々の支払い額が増える点に注意しましょう。
まとめ
個人事業主の携帯を2台持ちにすれば、目的に合わせて使い分けられるようになります。SNSの連携を防げる点や充電切れのリスクが下がる点もメリットです。
仕事用の携帯を法人携帯にすると、通話料金を削減できます。ビジネスに役立つツールを利用できるようになるため、仕事もよりはかどるでしょう。
法人携帯を選ぶ際は、仕事で使いやすいかどうかを重視するのが大切です。タイプごとの特徴をしっかり理解し、自分に合った端末を探しましょう。
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