経費削減はどこから手を付けるべき?削減してはいけない経費も

コスト削減, ジャーナル

会社の売上が落ちてきているなら、経費削減を検討するのがおすすめです。自社にとって効率的に進められる方法が分かれば、利益の増加につなげられるでしょう。経費削減の基本的な考え方やアイデア、意識したいポイントについて解説します。

経費削減とは?


(出典) photo-ac.com

 

経費削減とはどのようなことを指す言葉なのでしょうか。まずは、経費削減の意味や目的について解説します。

不必要な経費をそぎ落とすこと

事業を営むのに必要な費用を経費といいます。経費削減とは、無駄だと思われる経費を意識的にそぎ落とすことです。コストダウン・コストカット・合理化などとも呼ばれます。

 

会社の利益を増やそうとする場合、売上をさらに伸ばすことと経費を減らすことの両面からアプローチできます。売上を伸ばすのは簡単ではないのに対し、経費削減は工夫や努力次第で売上アップよりも実現しやすい施策です。

 

業務のペーパーレス化やシステム化、水道光熱費や通信費の見直しなどが、代表的な経費削減策として挙げられます。経費削減に成功すれば会社の利益を増やせるほか、圧縮したコストを企業価値の向上や投資のための費用に回すことも可能です。

 

経費削減の基本的な考え方


(出典) photo-ac.com

 

経費削減に取り組む前に、施策を成功に導くための基本的な考え方を押さえておきましょう。計画をスムーズに進められるようになる上、期待する結果も出しやすくなります。

固定費と変動費を分けて考える

経費削減を実行する際は、最初に経費の現状を正確に把握することから始めなければなりません。現状かかっている経費を洗い出したら、固定費と変動費に分けて考えます。

 

固定費とは、売上に関係なく一定で発生する経費のことです。事業にかかる代表的な固定費としては、人件費・減価償却費・家賃・水道光熱費・広告宣伝費・機器リース料などがあります。

 

一方の変動費は、売上に比例して金額が変わる経費です。原材料費・仕入原価・外注費・燃料費・販売手数料などが該当します。人件費のうち派遣社員や契約社員の給与は、固定費ではなく変動費として捉えることも可能です。

 

優先すべきは固定費から

経費削減では、変動費よりも固定費を優先して減らしましょう。固定費は売上にかかわらず一定で発生するため、固定費を減らせればトータルで大きな削減効果を期待できます。

 

より効率的にコストをカットできる点も、固定費を優先して減らすメリットです。例えば、家賃が今より月10万円安いオフィスに移れば、年間で120万円ものコストを削減できます。オフィスを移転するだけで、毎月10万円の費用を浮かせられるのです。

 

変動費を月10万円カットしようとすると、毎月さまざまな視点から策を練らなければならないでしょう。一度固定費を削減できれば、同じレベルのコストカットを変動費で行うのに比べ、期待する効果をより効率的に実現できます。

 

経費削減の進め方


(出典) photo-ac.com

 

経費削減を成功させるためには、ポイントを押さえながら施策を立案・実行する必要があります。経費削減の進め方と注意点を確認しましょう。

まずは経費を全て洗い出す

実際に経費削減を進める際には、事業で発生している経費を最初に全て洗い出しましょう。それぞれの経費を精査した上で、必要な費用と無駄な費用を分ける必要があります。

 

経費の洗い出しと調査が済んだら、無駄な経費をどのように削減していくのか考えることが重要です。すぐにでもカットできる費用や削減効果の高い費用から、優先的に削減していきましょう。

 

全額はカットできない費用でも、部分的に削れば効果を期待できる費用もあります。必要な経費だからカットできないと放置するのではなく、経費として残しながら少しでも安くできないか工夫を凝らすことが大切です。

 

削減した場合の効果を試算する

経費削減策がある程度まとまったら、施策を実行した際にどれだけの効果が期待できるのか試算しましょう。実行する価値がある削減方法なのか吟味することが重要です。

 

業務のアウトソーシングやシステム化など、経費を削減するために別の費用が発生するケースもあります。経費削減の第一目標はあくまでも費用を減らすことであり、施策の実行によって別の費用が削減額を上回ってしまうと意味がありません。

 

経費の削減につながりそうな方法をやみくもに取り入れるのではなく、採用する施策ごとに費用対効果をきちんと測ることが大切です。

 

目標設定と経費削減の実行の周知

経費削減の対象を決めた後は、具体的な数値を目標として定める必要があります。例えば、「消耗品代をできるだけ減らそう」ではなく「消耗品代を年間20%削減する」といった目標にしなければなりません。

 

具体的な目標を定めておけば、後から効果を検証しやすくなります。目標を設定したら、現場におけるルールや取り組み方も決めておきましょう。

 

削減策の具体的な目標や取り組み内容が決定したら、組織全体に周知することが重要です。従業員や部署ごとで経費削減に対する意識や姿勢の差が生まれないように、徹底した周知を図りましょう。

 

具体的な経費削減のアイデア


(出典) photo-ac.com

 

経費削減に有効な方法にはどのようなものがあるのでしょうか。高い効果を期待できる具体的な経費削減のアイデアを紹介します。

業務のペーパーレス化

経費削減策としておすすめの方法に、業務のペーパーレス化が挙げられます。今まで紙を使って作成していた書類をデジタル化することで、コピー用紙代や印刷費用、コピー機のレンタル料などの削減が可能です。

 

紙で保存していた資料をデータ化して保存すれば、保管スペースにかかるコストも抑えられます。オフィスのスリム化を実現できるでしょう。

 

電子契約サービスを利用すると、紙を使用せずに各種契約を締結できるようになります。ペーパーレス化にはシステムの導入を必要とするケースがあるため、システムを活用する場合は事前に費用対効果を検証することも大切です。

 

経理業務のアウトソーシング

人件費を削減する方法としては、無理なリストラなどではなく、業務のアウトソーシングが効果的です。アウトソーシングを活用することで人員を採用・教育するためのリソースを割かなくてもよくなるため、採用活動・教育にかかるコストを抑えることができます。

また、アウトソーシングでプロに依頼することで経理業務の効率化と短縮化を図ることで、従業員への負担を減らすことにもつながるでしょう。

 

アウトソーシングに向いている業務の一つに経理があります。経理業務は通年で忙しいわけではなく、繁忙期と閑散期があります。決算や年末調整で忙しくなる繁忙期のみ業務をアウトソーシングすれば、閑散期の固定費を抑えられるため、経費削減につながります。

 

アウトソーシングを活用する大きなメリットは、業務を社内のリソースから切り離せる点です。アウトソーシングを依頼した業務については内部のリソースを割かなくても良くなるため、売上に直接関係のあるコアな業務に人員を回すことができるようになります。

 

事務業務のシステム化

業務のアウトソーシングだけでなく業務をシステム化することも、人件費の削減につながる有効な方法です。アウトソーシングが業務量の削減を図るのに対し、システム化は業務の効率化を図ります。

 

例えば経理業務をシステム化すれば、入力や計算に費やす時間を大幅に短縮できるでしょう。残業代のカットや人員削減につなげられます。

 

システム化により生まれた余剰時間でほかの仕事を進めれば、組織全体の業務効率化も期待できます。業務のシステム化は、経理・総務・人事・労務・一般事務など、バックオフィス業務への導入に向いた経費削減策です。

 

電気料金の見直し

電気料金の削減は、経費削減策の中でも効果が出やすい方法の一つです。長期にわたり電気料金の見直しを行っていないのなら、削減できる余地は十分にあるでしょう。

 

電力会社との契約内容を見直したり、電力会社自体を変更したりすれば、電気料金が安くなる可能性があります。電気料金比較サービスを活用し、気になる会社から見積もりをとってみるのもおすすめです。

 

基本料金を抑えるためにツールで電力の使用状況を可視化する方法や、LED電球・人感センサーなどの省エネ設備を導入する方法も、電気料金の節約につながります。省エネ設備の導入を検討する際は、自治体が実施する補助金制度を利用できないか調べてみましょう。

 

電話料金の見直し

効果的な経費削減策としておすすめなのが、電話料金の見直しです。固定電話を導入してからずっと契約の見直しを行っていない場合は、契約プランを変えることで電話料金を大幅に下げられる可能性があります。

 

社内に無駄な回線が存在していないかもチェックしましょう。業種によっては固定電話を廃止できるケースもあります。IP電話の導入を検討するのもおすすめです。

 

従業員に社用携帯を持たせているなら、コストパフォーマンスが高いプランに切り替えられないか調べてみましょう。通常プランで契約している場合は、法人プランの方がコストを抑えやすくなります。

 

社用携帯の見直しを検討するなら、ベルパークに相談しましょう。全ての携帯キャリアに対応しており、会社の状況に最適なプランの提案が可能です。

会社のスマホをお得に使いたいなら | 法人携帯・社用携帯ならベルパーク

法人カードの活用

法人カードとは、事業で利用しやすいサービスを備えたクレジットカードのことです。法人経営者や個人事業主が契約できます。

 

カード利用時に貯まるポイントを消耗品費や交通費に充てれば、経費の削減が可能です。宿泊施設やレストランなどで利用できる優待サービスも、接待費の節約につながるでしょう。旅行傷害保険が付帯しているカードを持っていれば、保険にかかる経費も削減できます。

 

経費削減以外にメリットが多いのも法人カードの魅力です。例えば、経費の支払いに法人カードを使えば支払いを集約できるため、経理処理にかかる時間や手間が減り業務が効率化します。

 

出張費の見直し

営業活動に関する経費削減方法として、出張費の見直しが挙げられます。出張が多い会社なら、格安航空券や宿泊付きプランなどを意識的に利用するだけでも、出張費の節約につながるでしょう。

 

Web会議システムの導入も、大きな効果を期待できる方法の一つです。取引先との打ち合わせや会議などを遠隔で実施できれば、そもそも出張する必要がなくなることから、旅費交通費を大幅に削減できます。

 

昨今の世情を鑑みると、Web会議への抵抗が今後さらに小さくなっていくと考えられるため、Web会議システムをまだ導入していない場合も、出張費の削減を見越して早めに導入しておくのがおすすめです。

 

税理士に相談して節税対策

自社にできる範囲で経費削減策を打ち出せたら、税理士に相談して節税対策を実行するのも一つの方法です。一定の収益を上げている場合は、キャッシュアウトを減らして利益を増やせます。

 

効果が出るまでに時間がかかることや、一定以上の収益を上げていないと効果が薄いことなど、税理士への相談にはデメリットもあります。

 

しかし、削減する経費がない場合や一定の収益を生み出せている場合は、試してみる価値がある方法です。節税対策は経費削減ではありませんが、利益を増やすという目的は同じであるため、一定の効果を期待できる施策の一つとして覚えておきましょう。

 

経費削減を考える際の注意点は?


(出典) photo-ac.com

 

やってはいけない経費削減を実行してしまうと、状況が悪い方向に動いてしまう恐れがあります。経費削減を考える際の注意点を押さえておきましょう。

サービス・品質低下につながらないよう注意

経費削減によってサービスや製品の品質低下につながってしまうと、顧客離れや社会的信用を失うリスクが発生します。

 

例えば、商品に使われている原材料を安いものに変えた結果、品質や耐久性が落ちることがあります。また、人件費を下げて現場の担当者の人数を減らした結果、お客さんを待たせる時間が長くなってしまったり、接客の質が悪くなるのもよく聞く話です。

 

こうした無理な経費削減は結果的に会社に対する信用を下げ、売上減にもつながりかねません。

 

経費削減のために顧客数や売上を減らしてしまっては本末転倒です。サービス・品質の低下を招かないように、どんな項目を削減するかは慎重に検討する必要があります。

 

従業員のモチベーションも考える

経費削減を実行すると、従業員にもさまざまな影響を与えます。目標の達成に向けて従業員に過度のプレッシャーをかけた場合、モチベーションが下がってしまう可能性もあるでしょう。

 

職場環境が極端に悪化するような経費削減も避けたほうが無難です。経費削減により不便になったり快適さが失われたりするケースでは、従業員の許容範囲もチェックする必要があります。

 

経費削減を推し進めるあまり従業員のやる気が下がると、結果的に会社の生産性を落としかねません。特に現場レベルでの経費削減を指示する際は、注意が必要です。

 

長期的な目線を持つこと

経費削減の施策を検討する際は、長期的に取り組めるかどうかも重要です。短期間で強引に結果を出そうとすると、そのしわ寄せが従業員に行ってしまい、モチベーションやパフォーマンスが低下する要因になります。

 

何か経費削減のアイディアを思いついたとしても、すぐに実行に移さずに長期的に取り組めるかどうかを検討しましょう。。

 

一時的な目標達成のために社員に負荷をかけるより、長期的な目線を持って達成できる施策の方が、トータルで見ると大きな削減効果につながります。

 

まとめ

経費削減を行う際は、経費を固定費と変動費に分け、固定費を優先的に削減しましょう。水道光熱費や通信費、人件費などの固定費をカットできれば、大幅な経費の削減につながります。

 

サービスや品質が低下したり、従業員のモチベーションが下がったりする経費削減は、結果的に自社の生産性を下げてしまいかねません。経費削減が悪影響を及ぼさないように注意しながら、長期的な視点で計画を立てましょう。
 
あわせて読みたい|企業の通信費を削減するには?知っておくべき通信費の内訳も