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テレワークで適切な勤怠管理をするには?行き過ぎた監視は禁物
テレワークでは従業員の状況を把握しにくいため、勤怠を管理する上での課題が発生しやすく、管理者を悩ませていることでしょう。テレワーク中の勤怠管理をスムーズに行うコツや勤怠管理システムの活用方法について解説します。
目次
テレワークで管理者が注意すること
(出典) photo-ac.com
自社でテレワークを導入する場合、管理者はどのようなことに注意すべきなのでしょうか。テレワーク中の勤怠管理を円滑に進めるための基本的なポイントについて解説します。
適切な勤怠管理を行う
テレワークでは従業員の仕事ぶりを把握しにくいため、成果のみの評価になりがちです。しかし、従業員として雇用している以上は、勤怠管理を適切に行わなければなりません。
厚生労働省「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」にも、テレワークを行う際に会社は労働者の労働時間を適正に把握しなければならないことが記載されています。
仕事の進捗状況や従業員が困っていること、健康状態も含め、管理者は従業員の状況把握に努めなければなりません。
参考:テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン | 厚生労働省
長時間労働にならないようにする
テレワークで管理者が注意すべきこととしては、長時間労働にならないようにすることも挙げられます。テレワークではメリハリがつけにくく長時間労働が起きやすいため、会社側でも対策を講じなければなりません。
日本労働組合総連合会が実施したテレワークに関する調査結果によると、テレワーク勤務者のうち51.5%の人が、通常の勤務より長時間労働になることがあったと回答しています。
長時間労働により残業が発生した場合も、残業時間を把握して残業代を支払わなければなりません。従業員の健康や生産性向上、コスト削減のためにも適切な勤怠管理が重要です。
参考:テレワークに関する調査2020| 日本労働組合総連合会
勤怠管理を成功させるためのポイント
(出典) photo-ac.com
テレワークでは会社と従業員の信頼関係も重要となるため、「監視されている」「労働時間が正確にカウントされていない」といったことがないようにしなければなりません。勤怠管理を成功させるために意識したい二つのポイントを紹介します。
行き過ぎた監視は避ける
テレワークで勤怠管理を行う際は、行き過ぎた監視にならないように気を付けましょう。常に会社から見られている状況下の従業員は、ストレスを抱えやすくなります。
会社側はテレワーク中の従業員の様子が分からないため、サボっていないか不安になりがちです。実際にテレワーク中の行動を監視できるツールも存在します。
監視ツールを使用した場合、プライバシー保護の観点からトラブルになる恐れもあるため、テレワークで過度な監視は避けましょう。
労働時間の範囲を確認する
勤怠管理を成功させるためには、労働時間の範囲を確認しておくことが重要です。イレギュラーな労働や休憩が発生した場合、労働時間の範囲があいまいになっていると、労働者が不満を抱えてしまうでしょう。
例えば、テレワーク中に生じやすい中抜け時間については、ルールを明確にしておく必要があります。中抜け時間の分だけ終業時刻を繰り下げる場合は、その旨を就業規則に明記し、従業員へ周知しなければなりません。
移動時間中のテレワークの扱いや、勤務中にテレワークを行うための移動時間の扱いについても、労働時間として扱えるのかどうかガイドラインで確認しておきましょう。
社内ルール設定と管理しやすい体制を整える
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勤怠管理の運営をスムーズに進めるためには、まず社内ルールの設定と管理体制の整備を行います。具体的にどのようなことを行えばよいのでしょうか。
休日、深夜の業務を原則禁止にする
テレワークにおける休日や深夜の労働を黙認すると、従業員の長時間労働につながります。ダラダラと働いた結果の休日・深夜の業務で割増賃金が発生し、余計な残業代を支払うことにもなりかねません。
業務の効率化につながったり、ワーク・ライフ・バランスを実現したりすることができてこそ、テレワークを導入した意味があったと言えます。
テレワークを導入する際は、休日・深夜の業務を原則禁止にし、自発的な時間外労働も避けるよう周知しましょう。残業を認める場合も、事前承認制にしたり時間帯を決めたりするなど、社内でルール化しておくことが必須です。
ログの確認や社内システムへの制限
原則残業禁止のルールを決めても、隠れて残業する従業員は一定数現れます。従業員の意思に任せても残業が減らない場合は、ログの確認や社内システムへの制限を行いましょう。
パソコンのアクセスログやアクティブ時間を定期的にチェックすれば、アクセス状況によって時間外労働を把握できるため、従業員に指導しやすくなります。
社内のシステムにアクセスしなければ業務を行えない場合は、深夜・休日にアクセス制限をかけるといった対策も有効でしょう。
業務報告書の提出を義務付ける
テレワーク中の従業員に業務報告書の提出を義務付ければ、始業時間と終業時間を把握しやすくなります。従業員にとってもその日最後の作業になるため、仕事に区切りを付けやすくなるでしょう。
業務の進捗状況を把握できることも、業務報告書を提出してもらうメリットです。報告書に進捗の記録が残ることで、トラブルが発生した際の対処もしやすくなります。
業務報告書の内容を評価につなげられる点もポイントです。テレワークは労働時間と成果のみで評価するケースが多くなりますが、業務プロセスを把握できるため、成果に加えてプロセスも評価対象にできます。業務の過程を評価すれば、従業員のモチベーションアップにもつながるでしょう。
フレックスタイム制の導入を検討する
自宅でテレワークを行う場合、家庭の事情で始業が遅れたり中抜けが発生したりしやすくなります。フレックスタイム制にすることで、従業員と管理者の負担を軽減できるでしょう。
フレックスタイム制とは、月あたりの決められた労働時間を守れば、始業・終業時刻を自由に決められる制度です。コアタイムを設けておけば、定期的なミーティングにも対応できます。
ただし、フレックスタイム制を導入するからといって、始業・終業時刻の把握をおろそかにするのは禁物です。通常の勤務形態とフレックスタイム制のいずれにおいても、正確な勤怠管理は欠かせません。
勤務時間を把握する方法
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テレワークにおける勤務時間をより正確に把握する方法を解説します。自己申告とシステム利用の両面から確認するのがおすすめです。
従業員の自己申告
勤務時間を把握する方法の一つに、従業員の自己申告が挙げられます。
ただし、厚生労働省『テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン』には、自己申告制で労働時間を把握することはやむを得ない場合の措置とされており、従業員の自己申告で労働時間を把握する場合は、事前に十分な説明を行わなければなりません。会社と従業員の信頼関係で成り立つ管理方法です。
原則的にはタイムカード、ICカード、パソコンの使用時間を記録するなど客観的な勤怠管理が求められます。
勤怠管理システムを使用する
勤怠管理システムを導入すれば、テレワーク中の勤務時間が把握しやすくなります。勤怠管理システムによっては、ICカード・パソコン・スマホなどから勤務開始・終了の打刻が可能です。
有給休暇や残業の申請を行える機能が搭載されているシステムもあります。申請情報は自動で管理されるため、バックオフィス業務の効率化につながるでしょう。
各種申請・承認機能が備わっているシステムを使えば、申請・承認作業をオンラインで完結できます。承認フローが可視化されることやスピードアップすることもメリットです。
勤怠管理システムのメリット・選び方
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勤怠管理システムを導入すれば、人事・労務部門にも大きなメリットが生じます。勤怠管理システムの特長やシステムの選び方について見てみましょう。
管理者の負担が軽減される
大半の勤怠管理システムは、法改正に自動対応します。頻繁に法改正が行われても、法改正の対象となる部分が自動で書き換えられるため、常に適切な勤怠管理を行うことが可能です。
他システムと連携できるシステムを選べば、今まで手動で行っていた作業が自動で行われるようになり、バックオフィス業務を効率化できます。
勤務時間が超過しそうになるとアラート表示されるシステムもあり、長時間労働が課題となっているケースで役立つでしょう。
勤怠管理システムの選び方
勤怠管理システムを選ぶ際は、機能・使い勝手・サポート体制・コストの観点から、総合的に比較することが重要です。
勤怠管理システムは搭載されている機能がサービスごとに異なります。機能が充実しているほど利用料金は高くなりがちですので、自社に必要な機能と不要な機能を見極める必要があるでしょう。
従業員にとって使いやすいシステムかどうかも確かめなければなりません。毎日ストレスなく使ってもらうためには、操作しやすいデザインであることも求められます。
システムの導入時は、運用上の不明点や、上手く作動しないといったトラブルが発生する可能もあるため、サポート内容を確認しましょう。
勤怠管理システムの例
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勤怠管理システムは複数のベンダーから提供されていて種類が豊富なため、どのように選べばよいのか悩みがちです。おすすめのシステム2選と機能例を紹介します。
KING OF TIME
「KING OF TIME」は打刻手段が豊富に用意されているシステムです。スマホアプリでは位置情報を取得して打刻できます。働き方や環境に合わせて、複数の打刻手段を組み合わせることも可能です。テレワークだけでなく、外回り営業が多い会社や不正打刻を防止したい場合にも向いています。
シンプルで分かりやすい画面構成となっており、誰でも簡単に使えるでしょう。アラート機能に条件を細かく設定できることや、申請・承認を一元管理で処理できることも魅力です。
初期費用0円・1人あたり月額330円(税込み)で全ての機能を利用可能です。30日間の無料体験期間を活用すれば、機能や使い勝手を無料で確認できます。
勤怠管理システム市場シェアNo.1「KING OF TIME」
ジョブカン勤怠管理
テレワークだけでなく時差出勤にも対応できる「ジョブカン勤怠管理」は、複数の勤務形態の従業員を抱えている会社や、できるだけ費用を抑えたい会社におすすめです。
管理画面では、200を超える豊富な機能から自社に必要なものだけを自由に組み合わせることができます。独自に見やすい画面にカスタマイズすれば、データの処理スピードを高められるでしょう。
運用中に分からないことがあっても、電話やチャットでのサポートが受けられます。
従業員にとっても働きやすい環境を
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テレワークでスムーズな勤怠管理を行うには、在席確認をしたり従業員の心身に配慮したりすることも大切です。従業員に監視と捉えられにくい適切な管理方法はあるのでしょうか。
チャットツールでコミュニケーションを増やす
電話やメールよりも気軽にコミュニケーションを取りやすいビジネス向けチャットツールの導入がおすすめです。始業・終業・休憩のタイミングでチャットツールによる報告を義務付ければ、より適切な時間管理を行えるようになります。コミュニケーションが活発になれば、業務の効率化やモチベーションの維持にもつながるでしょう。
現在導入しているチャットツールが従業員に使ってもらえないと悩んでいる場合は、従業員が使い慣れているであろうLINEのサービス「LINE WORKS」を検討してみましょう。
用意されているテンプレートを活用すれば、従業員は時間をかけずに業務報告書を作成・提出できます。掲示板機能で情報を共有しやすい点もメリットです。
アクティビティログも活用できる
管理者が従業員の状況を手軽に把握するには、チャットツールのアクティビティログ機能が役に立ちます。
従業員は状況に応じて「休憩中」「離席中」「時間外」「不在」といったステータスを選択し、チームや管理者に示すことが可能です。
アクティビティログでステータスを確認し、必要に応じてチャットで従業員に進み具合を尋ねることもできるため、進捗管理を行いやすくなるでしょう。
まとめ
テレワークを導入すると、従業員の勤務時間の把握が困難になりがちです。
勤怠管理の問題を解消するには、勤怠管理システムが役に立つでしょう。勤務時間をより正確に把握できるだけでなく、他システムとの連携により管理者の業務負担も軽減できます。自社に合った機能であることはもちろん、操作性に優れ、サポート体制が手厚いサービスを選ぶのがポイントです。
テレワークの勤怠管理に不安を感じている場合や、自社に合った勤怠管理システムが分からない場合は、ベルパークに相談しましょう。テレワークに特化した提案を受けられます。