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社用携帯は本当に必要?導入のメリット・デメリットから注意点まで解説

近年、スマホはビジネスに欠かせないツールとなりました。しかし、従業員に私用携帯を業務利用させている企業様も多いのではないでしょうか?
私用携帯の業務利用は問題ないように思えるかもしれませんが、「情報漏えい」「ウイルス感染」「業務効率の低下」等の大きなリスクを抱えることになります。また、従業員にとっても、プライベート時間の確保や携帯料金の負担といった様々な問題を抱えている可能性があります。
社用携帯を導入することで、これらのリスクや悩みを解消し、会社にとっても従業員にとっても、より働きやすい環境を作ることができます。今回は、社用携帯が必要な理由、導入メリット・デメリット、選び方、活用事例、注意点まで徹底解説します。
社用携帯が必要な理由
今後、労働人口が減少し高齢化が進む日本では、状況に応じてオフィス以外の場所からでも勤務可能なハイブリッドな働き方が求められます。
このような働き方を実現する上で、社用携帯の導入は非常に重要です。
社用携帯は外出先やリモートワーク時に迅速なコミュニケーションをとることが可能です。他にも業務効率化につながるビジネスツールが多く開発されています。それらを取り入れることで、更なる業務効率化が図れます。
社用携帯を上手に活用することで業務効率化やセキュリティ強化など多くのメリットを享受できます。また、仕事とプライベートを区別することもできるので従業員のワークライフバランスの向上につながるでしょう。
社用携帯を導入する企業は増えている?
近年、ビジネスシーンにおけるスマホの重要性が高まるにつれ、社用携帯の導入や検討をする企業が増加していると考えられます。
一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査報告書2024 ユーザー企業のIT投資・活用の最新動向」によると、2023年度のIT予算は増加傾向にあり、その背景には業務のデジタル化対応や事業変革に向けたデジタル化対応といったDX推進に向けた投資の活性化が挙げられます。
MMD研究所の「2024年法人向け携帯電話の利用実態調査」によると、2024年1月時点での社用携帯の利用割合は31.5%となっており、2023年度の調査と比較して増加傾向にあると推測できます。

出典:「企業IT動向調査報告書2024 ユーザー企業のIT投資・活用の最新動向 https://juas.or.jp/cms/media/2024/04/JUAS_IT2024.pdf
「2024年法人向け携帯電話の利用実態調査」https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2303.html
飽和する個人市場とは対照的に法人市場は拡大傾向 https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=604
テレワーク時代における社用携帯の役割
コロナ禍を経て、多くの企業でテレワークが普及しました。オフィス以外の場所で働く従業員が増えたことで、社用携帯の役割はますます重要になっています。
テレワークには、主に自宅で業務を行う「在宅勤務」や、移動中や外出先など場所を選ばずに働く「モバイルワーク」といった形態があります。
在宅勤務では、社用携帯を活用することで自宅にいながら会社の固定電話の代わりとして内線・外線電話に対応したり、自宅の通信環境が不安定な際のテザリングによるバックアップ回線として利用したりできます。
モバイルワークでは、移動中の電車内やカフェ、顧客先などでPC作業が必要になることがあります。その際、セキュリティリスクのある公共フリーWi-Fiを避け、安全なテザリングを利用して通信できることは大きなメリットです。場所を問わずに安全な業務環境を確保し、隙間時間を有効活用することで生産性を高められます。
このように、テレワークが浸透した現代において、社用携帯は従業員がどこにいても安全かつ円滑に業務を進めるための必須ツールと言えるでしょう。また、業務とプライベートを明確に切り分けることで、従業員のワークライフバランスを向上させる効果も期待できます。

※1 導入形態の無回答を含む形で集計
※2 営業活動などで外出中に作業する場合。移動中の交通機関やカフェでメールや日報作成などの業務を行う携帯も含む。
※3 導入形態の無回答を含む形で集計
出典:総務省|令和5年版 情報通信白書|テレワーク・オンライン会議
社用携帯を導入する際のメリット

「わざわざ社用携帯を導入しなくても個人携帯を業務利用するのではダメなの?」
と疑問に思う方もいるかもしれません。
確かに、個人のスマホを業務に利用すれば、会社としては端末費用もかからず、手軽に思えるかもしれません。しかし、その手軽さの裏には、見えないリスク が潜んでいます。
社用携帯は、これらのリスクや悩みを解消し、会社にとっても従業員にとっても、より良い環境を作ることが可能です。セキュリティ面、コスト面、生産性向上など、様々な視点から、社用携帯導入のメリットを詳しく見ていきましょう。
セキュリティ対策を施し情報漏えいを防ぐ
携帯を業務利用する場合、紛失や盗難のリスクはもちろん、ウイルス感染や不正アクセスなど個人情報や顧客情報を扱う上で、不安要素はたくさんあります。
社用携帯にセキュリティ対策ツールを入れておくと、ダウンロードアプリの管理や最新版へのアップデートも管理者が一括で行うことができます。他にも、紛失・盗難・サイバー攻撃などにより大切な機密データが外部に流出するリスクも最小限に抑えることが可能です。
情報漏えいは企業の信頼失墜に直結するため、セキュリティ対策の強化は顧客や取引先からの信頼獲得につながるでしょう。
社員の生産性向上(業務効率化)につながる
社用携帯があれば場所や時間にとらわれずに効率的に仕事を進められます。
例えば、「外出先で資料を修正」「移動中に顧客対応」などオフィスに居なくてもスムーズに業務をこなすことが可能です。相手の状況を気にすることなくリアルタイムに情報共有でき、写真付きでメッセージも送れるので、より迅速で正確なコミュニケーションが図れます。
また、社用携帯と一緒に経費精算等の業務アプリも組み合わせることで、作業時間の短縮や人的ミスの削減につながり生産性も向上するでしょう。
通信コストの削減
社用携帯の導入は一見コストが増えてしまうように思えますが、長期的な視点で考えるとコストの最適化につながります。
法人契約の場合、個人向けよりもお得な価格で契約できる可能性があるため、今まで通信費を支給していた企業はコストを削減できるかもしれません。
経理業務の負担削減につながる
経理部門にとっても社用携帯の導入はメリットがあります。
従業員が私用携帯を業務利用している場合、個別に利用明細を提出してもらい、通話料やデータ通信料を精算する必要があります。社用携帯なら、会社が一括して通信費用を管理し、経理処理を簡素化できます。
さらに、自動で利用状況をデータ化し、集計するシステムを導入すれば、さらに効率化が図れます。
仕事とプライベートの区別がつきやすくなる
仕事とプライベートの切り替えは心身の健康を保つ上で重要です。社用携帯を導入することで従業員のワークライフバランスの促進につながります。
休日に仕事の通知を目にする機会が減るため、仕事のオンオフを容易に切り替えられるようになるでしょう。
緊急時の連絡体制が整備できる
災害や大規模な障害といった緊急時に、従業員の安否確認や指示伝達を行うための連絡体制を整備できます。会社が連絡先を確実に把握している社用携帯なら、SMS一斉送信などを活用して迅速な状況把握が可能です。
固定電話や社内ネットワークが使えない状況でも連絡手段を確保できることは、BCP(事業継続計画)の観点からも重要であり、企業の危機管理能力の向上につながります。
社用携帯を導入する際のデメリット

社用携帯は多くのメリットをもたらしますが、導入前に知っておくべきデメリットも存在します。この章では、社用携帯導入の「落とし穴」について、詳しく解説していきます。
私的利用のリスク
容易にアプリをインストールできる状態で社用携帯を貸与すると、私的な連絡やSNS、ゲームなどに使用してしまう従業員も出てくるかもしれません。
データ通信量が想定よりも多かったりセキュリティリスクが増加したりと企業にとってデメリットにもなり得ます。
2台持ちによる従業員の負担
社用携帯導入の際には、利用する従業員の負担も考慮しなければなりません。
外出や通勤の際に私用携帯と社用携帯の2台を持ち歩く必要があります。荷物が増えたり充電の手間が増えたりとマイナスに感じる従業員もいるかもしれません。
なるべく小型で軽量な端末や充電が長持ちしやすい機種を選ぶなど従業員の負担を軽減するための配慮が必要です。
導入コスト(初期費用)がかかる
社用携帯の導入には端末代、通信費、ビジネスツールの導入費など諸々の初期費用がかかります。最新機種にこだわらず、端末を割賦購入やレンタルをすることでコストを抑えることが可能です。
また、代理店によっては契約時の事務手数料4,950円(税込)を免除するキャンペーンを行っていたり、契約台数が多い場合には特別価格の提示をしてくれたりすることがあります。
少しでもコストを抑えたいと考えている企業様は一度、携帯電話販売代理店に問い合わせしてみると良いでしょう。
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端末管理の負担が増える
社用携帯は企業の資産となるため、端末管理をしなければなりません。端末の配布や回収だけでなく、故障時の対応なども必要です。
MDM(モバイルデバイス管理)も併せて導入検討することで、効率的な端末管理体制を実現することができるでしょう。
紛失のリスクがある
社用携帯の紛失は、端末代金の損失以上に、顧客情報などの漏えいが最大のリスクです。この情報漏えいリスクにもMDMが有効で、遠隔での端末ロックやデータ消去(リモートワイプ)が可能です。
一方、金銭的なリスクである修理・交換費用には、法人向けの補償サービスや保険への加入が不可欠です。MDMによるセキュリティ対策と保険による費用面の対策を組み合わせ、万一の損害を最小限に抑える体制を整えましょう。
社用携帯の選び方
機種によって機能や価格が大きく異なるため、慎重に進める必要があります。OS、機種、契約方法の3つの観点から「失敗しない社用携帯選び」のノウハウをご紹介します。
OSの比較
OS(オペレーションシステム)はスマホの「頭脳」の役割を持ち、端末にとって最も重要な部分です。日本で販売されている主なOSはAppleが提供しているiOSとGoogleが提供しているAndroid OSの2種類あります。
iOSを搭載している「iPhone」は、セキュリティの高さ、操作性のシンプルさ、管理のしやすさが魅力です。一方、 Android OSを搭載している「Android」 は、機種の豊富さ、カスタマイズ性の高さ、アプリの多様性が特長です。
セキュリティ重視ならiOS(iPhone)、柔軟性やコストパフォーマンスを重視するならAndroid OS(Android)をおすすめします。
機種の比較
iPhoneとAndroidで社用携帯におすすめの機種をご紹介します。機種を選定する際にぜひお役立てください。
おすすめ機種①(iPhone)

「iPhoneが良いけど価格は抑えたい」と考えている企業には、最新のAI機能を搭載しつつ価格を抑えた「iPhone 16e」がおすすめです。
上位モデルと同じ「A18チップ」を搭載しているため処理速度が速く、業務で使うアプリも快適に動作します。バッテリーも最大26時間のビデオ再生が可能で、外出の多い従業員でも安心して利用できます。
Statcounter Global Statsによると、2025年8月時点の日本のiPhoneシェア率は56.9%と非常に高く、従業員の多くが使い慣れた端末です。操作方法に戸惑うことなく業務に活用できるでしょう。
出典:モバイルベンダー市場シェア 日本 | Statcounter Global Stats https://gs.statcounter.com/vendor-market-share/mobile/japan
おすすめ機種②(Android)

「AI機能の活用とコストパフォーマンスを重視したい」と考えている企業には、ビジネスを効率化する機能が満載の「Google Pixel 9a」がおすすめです。
最新の「Google Tensor G4」チップを搭載し、AI機能が大幅に強化されています。精度の高い「文字起こし」機能は、会議の議事録作成はもちろん、顧客との応対記録や社内研修の内容をテキスト化する際にも役立ち、業務効率の大きな向上に繋がります。
スーパーバッテリーセーバー利用でバッテリーが長時間持続するほか、顔認証と指紋認証の両方に対応しているため、マスク着用時でもスムーズにロック解除できるなど、現場での利便性も考慮されています。
契約方法の比較
法人契約をする場合、主にキャリアと直接契約する方法と代理店を通して契約する方法の2種類あります。
キャリアと直接契約する場合、大手キャリアのネームバリューによる安心感がありますが、
代理店より割引キャンペーンが少なく割高になる可能性があります。
一方、代理店経由で契約する場合は独自のキャンペーンを行っているところが多いのでお得に導入できる可能性があります。ですが、代理店によって対応の質にばらつきがあるので、価格だけでなくサポート面も考慮して選定すると良いでしょう。
また、端末を購入(一括・割賦)するかレンタルするかでも月額料金が変わります。毎月の料金を抑えたい場合には、端末の契約方法についても併せて確認してみてください。
使い方に合わせたプラン選定のポイント
社用携帯のコストを最適化するには、まず従業員の「使い方」に合ったデータ容量のプランを選ぶことが不可欠です。自社の業務内容と照らし合わせながら、最適なプランを選びましょう。
データ容量の目安 | 業務内容 | ポイント・注意点 |
---|---|---|
小容量 (~5GB) |
【通話・メール中心の業務】
|
コストを最優先する場合に最適。 動画視聴など想定外の利用ですぐに速度制限にかかる点に注意が必要。 |
中容量 (10~20GB) |
【外出先でのデータ通信が多い業務】
|
多くの従業員にとってバランスが良い選択肢。 1日の外出が多い従業員におすすめ。 |
大容量/無制限 (50GB~) |
【大容量ファイルを扱う専門業務】
|
データ量を気にせず使いたい場合に最適。 出張が多く、Wi-Fi環境がない場所での作業にも安心。 |
法人契約と個人契約の違いは?
社用携帯の契約には「法人契約」と、従業員が個人名義で契約する「個人契約」があります。両者にはコストやサポートの面等で違いがあります。
主要な違いは以下の表の通りです。
法人契約 | 個人契約 | |
---|---|---|
コスト |
|
|
サポート |
|
|
契約手続き |
|
|
セキュリティ |
|
・セキュリティ対策は個人の裁量に依存 ・会社としての統制が困難 |
社用携帯の活用事例
今までオフィスにいないとできなかったことが、社用携帯を導入することで柔軟な働き方を可能にします。
この章では、メリットを最大限に活かすヒントとして、主な活用方法や実際にベルパークが支援した事例をご紹介します。
外出先からも情報共有やオンライン会議に参加できる
社用携帯があれば、外出先でもオフィスと同じように仕事ができます。
例えば、電話ができない状況でも、チャットツールを使って容易にコミュニケーションが取れます。また、社用携帯をノートパソコンとテザリングで接続し、
・顧客先でプレゼン資料を共有
・移動中に見積書を作成
・オフィスにいなくてもオンラインで会議に参加
なども可能です。
移動時間も有効活用できるので、業務の効率化につながるイメージがしやすいでしょう。
多様な働き方の促進に

社用携帯は、テレワークやフレックスタイム制など、多様な働き方を促進するためにも役立ちます。
例えば、育児や介護をしながら働いている従業員にとって理想の働き方は、自分の都合に合わせて働くことです。子供の送り迎えや病院の付き添いなどの急な予定にも対応できる柔軟性が求められます。
前述したように、社用携帯は場所を選ばず仕事ができるため、在宅勤務の実現や移動時間や待ち時間も有効活用して業務を進めることができます。社用携帯と業務用アプリを活用することで仕事のしやすい環境を整えるだけでなく、ペーパーレス化にもつながり、事務処理のためだけに出社するといった手間や時間も削減できるでしょう。
さらに、企業にとっても従業員のワークライフバランスを支援することで、育児や介護を理由に退職してしまう従業員が減り、「人材の確保」「生産性向上」等の効果も期待できます。
業種別の活用方法と成功事例
社用携帯の活用方法は業種ごとに様々です。
例えば製造業では、現場での検品報告や在庫管理にアプリを活用し、リアルタイムな情報共有で業務効率化につながります。サービス業では、社用携帯がスタッフ間の強力な連携ツールになります。お客様からの在庫確認や要望にもその場で対応できるため、顧客満足度の向上に直結します。
このように、自社の業務に合わせて活用することで、社用携帯はビジネスを加速させる強力なツールと言えるでしょう。
ベルパークが支援した事例
ベルパークが導入を支援した「株式会社明和サービス様」では、スマホの導入により業務効率化を実現しました。
この企業様では、従業員の多くが移動を伴う現場業務に従事していました。しかし、以前はPCメールでの連絡やガラケーでの写真撮影に頼っていたため、連絡の見落としや解像度の低い写真による情報共有の難しさといった課題を抱えていました。
そこでスマホとビジネスチャットツール「LINE WORKS」を導入しました。
スマホ導入によって、高画質の写真を複数枚まとめて送付できることで現場の状況をリアルタイムに共有できるようになり、迅速な意思決定が可能になりました。
また、LINE WORKSは、既読者と未読者が明確に分かり、未読者に再通知もできるため、情報共有を徹底できる点も大きな効果があったそうです。
導入事例の詳細はこちらからご覧いただけます。
ベルパークの活用事例
ベルパークでは2010年より社用携帯としてスマホを導入しています。最初はメールやウェブブラウザ等のシンプルな活用でしたが、今ではスマホ1つでどこでも仕事ができるレベルまで活用しています。
具体的にはGoogleWorkspaceを利用してメール・スケジュール管理を外出先から行ったり、Salesforceと複数のSaaSを連携したりと効率的な営業活動を行っています。
弊社から社用携帯を導入いただく際は、実体験から得た経験やノウハウもお伝えできればと思っております。社用携帯は、使い方次第で、ビジネスを大きく変革する力を持っています。ぜひ、様々な活用方法を検討し、あなたの会社でも社用携帯を導入してみてはいかがでしょうか。
社用携帯を導入する際の注意点
社用携帯の導入は業務効率化、コスト削減、セキュリティ対策の強化など多くのメリットをもたらします。
しかし、導入前にしっかりと準備をしておかないと思わぬトラブルを引き起こすかもしれません。予め注意しておいた方が良いポイントをご紹介します。
運用ルールを決めておく
社用携帯の私的利用を防ぐためにも従業員に貸与する前にしっかりと運用ルールを定めておきましょう。私用で使われてしまうと、情報漏えいのリスクが高まります。「誰が」「どんな目的で」「どのように」社用携帯を使うのかを明確にすることでトラブルを未然に防ぐことができます。
例えば、紛失時の対応方法やフリーWi-Fiの接続禁止などネットワーク制限、アプリケーションの利用制限等が挙げられます。
従業員への説明と同意取得のポイント
ルールをただ作成するだけでなく、従業員一人ひとりにその内容を周知し、同意を得ることがトラブル防止の鍵となります。意識啓発と同意書の取得を組み合わせ、実効性のある運用を目指しましょう。
まず、利用目的、禁止事項、費用負担、紛失時の対応などを明記した「社用携帯貸与規程」を作成します。その上で説明会を開催し、規程の内容はもちろん、「なぜこのルールが必要なのか」という背景や潜むリスクを説明し、質疑応答の時間を設けることで、従業員の理解とセキュリティ意識を高めます。
最後に、内容を理解し遵守することを誓約する同意書に署名をもらいます。このプロセスを踏むことで、貸与後の「知らなかった」という事態を防ぎ、従業員の責任感を醸成すると同時に、会社としての管理責任を果たした証拠にもなります。
セキュリティ対策はしっかり
情報漏えいは企業の信用問題や売上にも影響するほど重大なリスクです。
紛失や盗難は細心の注意を払っていても起こりうる事案です。万が一に備えて万全のセキュリティ対策を施し、迅速な対処ができる体制を整えておきましょう。
実際に紛失が発生した事案として、2022年12月に兵庫県尼崎市の職員が個人情報を含む公用(社用)携帯の紛失があります。市民の電話番号とLINEの連絡先が数十件登録されていましたが、パスワードによるセキュリティロックがかかっていたため情報漏えいは確認されていないと発表しています。
従業員一人一人が紛失や盗難に気を付けるだけでなく、貴社にあった方法で何かしらのセキュリティ対策の実施をおすすめします。
出典:尼崎市個人情報を含む公用スマートフォン紛失の経緯及び今後の対応について
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_projects/default_project/_page_/001/033/174/230127-03.pdf
セキュリティ強化のためのルール設定も忘れずに
セキュリティ対策は、MDMツールの導入と具体的な利用ルールの設定の両輪で行うことが重要です。規程に盛り込むべきルールの例を紹介します。
私的利用に関する規程例 |
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セキュリティに関する規程例 |
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紛失・盗難時の対応規程例 |
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管理者の選定と権限設定を行う
社用携帯を導入する際は、どの部署の誰が管理するのか、その体制を明確にしましょう。
管理者は、端末の在庫管理から、紛失・盗難時のMDM操作(リモートロック等)まで重要な役割を担うため、一定のIT知識とセキュリティ意識が求められます。
管理体制には、専門性が高い「情報システム部門」での一元管理、コスト管理も担う「総務部門」、あるいは迅速な対応が可能な「各部門」での分散管理などが挙げられます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、企業の規模や方針に合わせ、ITと総務が連携するなど自社に最適な体制を構築することが重要です。
導入や運用コストを比較する
どこで社用携帯を導入するかによって運用コストも導入後のサポートも変わってきます。前述したように、代理店によっては独自キャンペーンや法人限定特別価格でコストを抑えることは可能です。
社用携帯は導入して終わりではなく、その後の運用が重要です。端末が故障した際や活用方法に困った際に親身になって丁寧な対応をしてくれるかどうかといった面も比較してみてください。
まとめ
社用携帯の導入は単なるコストではありません。業務効率化やセキュリティ対策など企業の成長を加速させるための戦略的な投資です。適切な機種を選び、運用ルールを整備し、セキュリティ対策を徹底することで、ビジネスの未来を拓く強力なツールとなりうるでしょう。
ベルパークでは社用携帯の検討・導入からその後のアフターフォローまで1社1名体制で専任のコンサルタントが丁寧に対応いたします。社用携帯を活用した業務効率化のご支援もお任せください。ご要望に合わせたプランを無料でお見積りします。お気軽にご相談ください。
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