テレワーク導入支援の助成金をご存知ですか?ノートパソコン購入にも利用できます

テレワーク

厚生労働省では「働き方改革」における取り組みの1つとして「テレワーク普及促進関連事業」に取り組んできました。

また、近年の新型コロナウイルスの流行により、感染症対策としてもテレワークの導入が急がれるようになっています。

 

そこで、国や自治体は「テレワーク助成金」を用意し、企業がテレワークに必要な環境を整備できるよう促しています。

助成の内容はさまざまですが、中にはテレワーク用のノートパソコン購入に使えるものも。

 

今回は国や自治体によるテレワーク助成金と、テレワーク助成金の注意点について解説します。

 

国が提供しているテレワーク助成金

テレワークを導入するには、社員が自宅などで業務に取り組むためのノートパソコンやタブレットといった機器を支給する必要があります。
しかし、全社員にこれらの機器を用意しようとすると、企業の経費はかなり圧迫されてしまいます。

 

そこで利用したいのが「テレワーク助成金」です。ここでは、国が提供しているテレワーク助成金の支給対象と助成内容をご紹介します。

【厚生労働省】人材確保等支援助成金(テレワークコース)

良質なテレワークを新規導入・実施することにより、労働者の人材確保や雇用管理改善などの観点から効果をあげた中小企業が対象となります。
助成金を受ける方法には「機器等導入助成」か「目標達成助成」の2つがあります。それぞれの要件を見てみましょう。

機器等導入助成の受給要件

1.テレワーク実施計画を作成し、管轄の労働局に提出して認定を受ける。
2.テレワークの定義や手続きなど、テレワークに関する制度を規定した労働協約又は就業規則を整備する。
3.テレワーク実施計画に基づいて実際に取り組む。
4.評価期間におけるテレワーク実施対象労働者のテレワーク実施状況が、(1)または(2)の基準を満たす。
(1)評価期間中1回以上、テレワーク実施対象労働者全員がテレワークを実施していること。
(2)評価期間中にテレワーク実施対象労働者が週平均1回以上テレワークを実施していること。

目標達成助成の受給要件

1.離職率に係る目標の達成

(1)テレワークに関する制度の整備の結果、評価時離職率※1が、計画時離職率※2以下であること。

 

※1 「評価期間の末日の翌日から12ヶ月経過する日までの期間における離職者数」÷「当該期間の初日における事業所の労働者数」で求めた離職率のこと。
※2 「テレワーク実施計画認定申請日の12ヶ月前の日の属する月の初日から当該計画認定申請日の属する月の前月末までの期間における離職者数」÷「当該期間の初日における事業所の労働者数」で求めた離職率のこと。

 

(2)評価時離職率が30%以下であること。

 

2.評価期間初日から1年を経過した日からの3か月間に1回以上テレワークを実施した労働者数が、評価期間初日から1年を経過した日における対象事業所の労働者数に、計画認定時点における対象事業所の労働者全体に占めるテレワーク実施対象労働者の割合を掛け合わせた人数以上であること。

助成金の内容

機器等導入助成 目標達成助成
助成率・助成上限 支給対象経費の30%
※以下のいずれか低い方の金額が上限額
・1企業あたり100万円
・テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円
支給対象経費の20%
(生産性要件を満たす場合35%)
※以下のいずれか低い方の金額が上限額
・1企業あたり100万円
・テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円
助成内容 ・就業規則、労働協約、労使協定の作成、変更
・外部専門家によるコンサルティング
・テレワーク用通信機器の導入・運用
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修

【経済産業省】IT導入補助金(特別枠:C・D類型)

中小企業や小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費を一部補助することで、業務効率化や売上アップを目指せるよう支援する助成金です。

C類型-1 C類型-2 D類型
補助金申請額 30万~300万円未満 300万~450万円以内 30万~150万円以内
助成率 2/3以内
助成内容 ・ソフトウェア費導入関連費等
・ハードウェアレンタル費用

通常枠(A・B類型)のIT導入補助金では、ノートパソコンやタブレットなどのハードウェアは対象外でしたが、特別枠のC・D類型ではハードウェアのレンタル費用も補助対象となっています。

 

ただし、あくまで対象となっているのは「レンタル費用」であり、「購入」は対象となっていないため注意が必要。

「まずはレンタルでテレワークを試してみたい」という企業におすすめです。

各都道府県のテレワーク助成金

国だけでなく、各都道府県でもテレワーク助成金を用意しています。ここでは、その一例をご紹介します。

【東京都】テレワーク促進助成金

公益財団法人東京しごと財団による「テレワーク促進助成金」は、テレワークの促進・定着に向け、テレワーク機器やソフトなどテレワーク環境整備にかかる経費を助成するものです。

助成対象業者

・常時雇用する労働者が2名以上999名以下で、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業など
・東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること
・東京都が実施する「テレワーク東京ルール実践企業宣言制度」に登録していること(実績報告時まで)

助成金の内容

事業者の規模

(常時雇用する労働者数)

2名以上30名未満 30名以上999名以下
助成上限 150万 250万
助成率 2/3 1/2
助成内容 テレワーク機器・ソフト等の環境整備にかかる経費

【富山県】中小企業リバイバル補助金

ビヨンドコロナの「新しい生活様式」やデジタル化など経済社会構造の急速な変化に対応し、事業の再建、成長発展を図るための意欲的な取り組みを支援するための助成金です。
新型コロナの影響を受け、売り上げが減少した富山県内に主たる事業所を置く中小企業者・小規模企業者・NPO法人・医療法人・組合を対象としています。

中小企業者 小規模企業者
助成率 2/3 3/4
助成上限 100万(下限30万)
助成内容 ・非接触型ビジネスの展開やシステム開発
・ビッグデータ活用
・ARやVRの活用
・クラウド活用
・業務効率化に資する IoT・AI技術・設備導入
・テレワーク・ビデオ会議システム等リモート化設備 (モバイルPC、タブレット等)
・Wi‐Fi等整備 など
※原則として県内事業者への発注を条件

【福井県】テレワーク利用促進補助金

新しい生活様式への対応や企業の従業員の離職防止、多様な人材活用をサポートするための助成金です。
福井県内の事業所において新たにテレワーク制度を導入し、厚生労働省の「人材確保等助成金(テレワークコース)」の支給決定を福井労働局から受けた中小企業事業主が対象です。

補助率 1/3
補助上限 下記のいずれか低い額
・20万円/事業主
・5万円×テレワーク実施対象労働者数※1
※1 厚生労働書「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」の支給申請にかかるテレワーク実施対象労働者数
助成内容 テレワークを実施する際に使用するパソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用
※ただし、1台当たり消費税込30万円未満

【京都府】多様な働き方推進事業費補助金(テレワークコース)

人材確保・定着の促進を目的として、仕事や生活の両立に向け、テレワークの導入および利用促進に必要な経費の一部を助成します。
京都府内に事業所を有し、かつ「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」を行う中小企業を対象としています。

助成率・助成上限 ・中小企業者等:補助対象経費の2分の1以内(上限50万円)
・小規模企業者:補助対象経費の3分の2以内(上限50万円)
助成内容 ・講師謝金
・各種費用(旅費、消耗品費、印刷製本費、教育研修費、役務費、委託料、備品購入費)
・新たにテレワークを実施するために必要となる機器のレンタル、リース若しくは購入経費又は施設整備費など
※社内研修の実施、各種セミナーへの参加、外部専門家によるコンサルティング、または就業規則の作成・見直しかかる経費については、それぞれ補助対象経費として合計20万円が上限
※パソコン・タブレット等機器の導入にかかる経費は1台ごとに補助対象経費として15万円を上限とし、機器の設定・サポート・構築費は1時間あたり2万円の範囲内で補助対象経費として合計30万円を上限とする

このほかにも市区町村がさまざまな助成金を提供していますので、本社や事業所のある自治体のホームページで確認してみてくださいね。

ノートパソコン購入に使えるテレワーク助成金の注意点

テレワーク助成金は申請にあたって注意しておくべき点があります。
ここでは、テレワーク助成金の申請前に知っておきたい3つの注意点をご紹介します。

自社に合った助成金を見極めて選択する

ここまでご紹介してきた通り、テレワーク助成金は多数存在します。

 

しかし、同時に複数の助成金に申請してしまうと、どの助成金の審査も通過できなくなってしまいます
また、1つの自治体から助成金の支給を受けると、同じ自治体から支給を受けられなくなるケースも少なくありません。

 

自社のニーズに合わせた助成金を見極めた上で申請するようにしましょう。

申請に手間と時間がかかる

テレワーク助成金に申請する際には、多くの書類を不備なく提出しなければなりません。

 

また、助成金によってはヒアリングや現地調査が行われることもあります。
そのため、申請してから支給を受けるまでに数ヶ月から数年かかってしまうことも。

 

申請のために手間や時間がかかることも念頭に置いておきましょう。

購入前の事前給付はできない

テレワーク助成金は、テレワーク機器を購入する前に貰えるわけではありません。

実際の購入にかかった経費に基づいて支給額が確定され、後日支給されるものです。

 

テレワーク助成金が支給されるからと一気にテレワーク機器を揃えてしまうと、支給されるまで資金が大きく減少してしまいます。

万が一この間にトラブルが起きて資金が必要になっても対処できません。

 

助成金に頼り過ぎず、計画的に利用するようにしましょう。

テレワーク助成金に関する相談窓口

テレワーク助成金の申請手続きにお困りなら「テレワーク相談センター」を利用してみてください。

テレワークに関するあらゆる悩みに無料で対応してくれます。

【東京都所在企業等向け】東京テレワーク推進センター内テレワーク相談コーナー

■フリーダイヤル:0120-861009(9:00~17:00 土日祝12月29日~1月3日を除く)
■メールアドレス:suishin@japan-telework.or.jp
■住所:東京都文京区後楽二丁目3番28号 K.I.S飯田橋ビル6階 東京テレワーク推進センター・テレワーク相談コーナー

【東京都以外所在企業等向け】テレワーク相談センター

■フリーダイヤル:0120-861009(9:00~17:00 土日祝12月29日~1月3日を除く)
■メールアドレス:sodan@japan-telework.or.jp
■住所:東京都千代田区神田駿河台1-8-11 東京YWCA会館3階 一般社団法人日本テレワーク協会内

テレワーク助成金を活用して負担なく機器を揃えよう

多様な働き方の実現や新型コロナウイルス感染症による影響を受けて、国や自治体は「テレワーク助成金」を用意し、企業のテレワーク導入を支援しています。国のテレワーク助成金としては、厚生労働省による「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」、経済産業省による「IT導入補助金」が代表的です。

 

また、東京都をはじめ、都道府県や市区町村でもテレワーク助成金の制度を整えています。
テレワーク助成金の情報は日夜更新されていますので、国や自治体のホームページで最新の情報を確認しましょう。

 

申請には複数の書類や煩雑な手続きが求められるため、テレワーク相談センターや専門家のサポートを受けながら1つ1つ着実に取り組んでください。