テレワークで生産性を向上させていくために企業が取り組むべきことは?

テレワーク

テレワークによって生産性が低下してしまうという事例はよくあります。

まずは企業がテレワークと生産性の関係性を正しく把握し、適切な対処を行うことが大切です。

 

この記事では、テレワークを通して生産性をアップさせるポイントをご紹介いたします。

 

テレワークの導入で残業時間が増え生産性が低下している

米Asanaは2021年1月、仕事の生産性に関する分析レポート「仕事の解剖学」インデックスを発表しました。

 

この調査では、各国のワーカーにオフィスでの仕事とリモート環境の仕事を比較する質問を行っています。

調査によると、テレワークへの移行によって多くの企業で残業が増えていることがわかりました。

 

2019年の調査では、世界の年間残業時間数平均は242時間でしたが、2021年には455時間にまで増加しています。

残業をすれば生産性がアップするように思う方もいるでしょう。

 

しかし、残業を含めた長時間労働が続くとプライベートの時間が削られたり、睡眠不足に陥ったりすることがあり、そうなると十分に心身が回復しないため、集中力や生産性の低下に繋がってしまいます。

 

テレワークへの移行で生産性が下がったと感じている方は多い

株式会社パーソル総合研究所は、オフィスでの生産性を100%としたときのテレワークの生産性について調査を行いました。

 

その結果、回答の平均値は約84%と低い数値でした。
つまり、多くの人がオフィスでの業務をテレワークに移行したときに生産性が下がると回答しているのです。

 

なお同調査では、コロナ禍以前からテレワークをしていた人の約82%、そしてコロナ禍がきっかけでテレワークを始めた人の約89%が、生産性が下がったと考えていることがわかりました。

 

そもそも業務における生産性とはどのようなものか

ビジネスにおける生産性とは、どれくらいの時間でどれくらいの業務を処理したのかという指標です。
業務に割く時間や費用、人材は業務に対して投入した資源またはインプットと考えられます。

 

これらのインプットによって出た成果や作成されたものが生産物またはアウトプットということになります。
少ないインプットでより多くのアウトプットができる状態を生産性が高いと呼びます。

 

時間や費用をかけてアウトプットを増やすのは生産性の増加ではありません。

残業を増やしたり多額の費用をかけたりといった方法で業務を行うのは、むしろ生産性の低下につながることがあるのです。

 

生産性が下がる理由は、仕事のための仕事に時間がかかること

企業が生産性を考える上で特に問題となっているのは、仕事のための仕事や不要なミーティングに膨大な時間が使われている点です。

 

仕事のための仕事とは、快適に仕事をするための準備や機材の設定、ルール作りなどのフェーズのことです。

多くの組織では進捗を報告し合う会議やツールの設定、情報収集、アプリの切り替えなどに多くの時間を割いています。

 

リモート環境で作業が重複してしまい、時間の無駄が起きてしまうこともあります。

また、新たなアイディアや計画が生まれないリモート会議が繰り返されるケースも多いです。

 

こういった無駄な業務によって、従業員1人あたり年間平均157時間という長い時間が失われています。
仕事量が多かったり、仕事のための仕事に忙殺されたりすると、生産性はどんどん下がっていく一方です。

 

よかれと思って導入したシステムやツールが生産性を下げる障壁になってしまっては意味がありません。

 

テレワークへの移行で生産性が下がってしまう理由や問題点

テレワークの環境を整えれば、オフィスで仕事をするのと同じような能率が期待できるはずです。

しかし、実際にテレワークに移行した方の多くは、テレワークに対して生産性の低下を感じています。

 

ここからは、テレワークによって生産性が下がってしまう原因を探っていきましょう。

 

1. テレワークでは仕事に適した環境が作れない

仕事に適した環境を自宅に作ることができず、テレワークの能率が上がらないというケースは少なくありません。

 

自宅の仕事をするスペースは限られており、仕事専用にパソコン機材やデスク、椅子を置いて仕事に集中できる環境を整えることはなかなか難しいです。

そのため、普段から使っているリビングのローデスクや食卓などでテレワークをするという人も多いでしょう。

 

しかし、こういった仕事専用ではない、仕事に向いていない環境では、いくら社員が仕事に集中しようとしてもなかなか集中ができず、生産性はアップしません。

 

仕事環境以外にも、オフィスに行かなければ閲覧できないデータがあったり、自宅で一部のシステムを使えなかったりと仕事をするうえで不便な部分がある場合も仕事の生産性は下がってしまいます。

 

2. テレワークでは集中力が続きにくい

集中力が続かないことも、テレワークの能率や生産性が落ちてしまう原因と考えられます。
小さな子供がいる場合、仕事中に泣いてしまったときなどには仕事を中断せざるを得ません。

 

また、仕事のスペースに子供が入ってきて話かけられたり、家族に家事を頼まれたりした場合も同様です。
自宅の環境は個々の社員で異なっており、中には集中力が著しく落ちてしまうような環境で働く社員もいます。

 

テレワークへの移行後に一部の社員の生産性が大きく落ちた場合には、テレワークの環境をチェックしたほうがいいかもしれません。

 

3. テレワークではコミュニケーションがとりにくい

仕事をする上ではスタッフ同士のコミュニケーションが必要不可欠です。

しかし、テレワークの環境が悪く、同僚や上司との連絡や意思疎通に問題を感じてしまう社員は少なくありません。

 

また、取引先との連絡がうまくいかなかったり、テレワークで営業を思うように進められなかったりするケースもあります。
オフィスにいれば社内の人の動きはすぐに把握できますが、テレワークではそういうわけにいきません。

 

その結果、連絡をスムーズに取ることができず、仕事がどんどん滞っていくことがあります。

 

テレワークの生産性を上げるために企業が取り組むべきこと

テレワークの生産性を高めるためには、仕事の時間の能率を上げて仕事の密度を高めることが大切です。
ここからは、テレワークで生産性をアップさせるために企業が気をつけたいポイントをご紹介いたします。

 

1. 仕事しやすい環境を整える

テレワークを行うときには、社員の環境を整えるようにしましょう。

 

狭く仕事がしにくい場所でテレワークをスタートさせるのではなく、場合によっては準備金を出したり備品を貸与したりといった方法で万全の準備を行うことが大切です。

 

また、オフィスと同じようなコミュニケーションをとるためには、連絡ツールの導入が必要で、資料やデータを探す時間を短縮するためには、データ共有システムが役立ちます。

 

データを手軽に整理できるようなツールを導入すれば、仕事の能率がアップしやすくなります。

 

2. 業務が中断されないようにする

テレワークにおける生産性低下の大きな原因は、業務が何度も中断されてしまうことです。

 

目の前に集中したい仕事があるのにもかかわらず、電話やメール対応に追われたり誰かに話しかけられたりすると作業は何度も中断してしまいます。

 

作業の中断後には、どこまで作業を進めていたのかを再確認する必要があり、復帰に時間がかかってしまうものです。

これを防ぐためには、なるべく業務に集中できる環境を作ることが重要になります。

 

業務に集中できる環境を作る方法の一つとして、会社で使う連絡手段をチャットツールにするという方法があります。

チャットツールを使えば社員の都合のいい時間に返信が可能です。

 

ほかにも、あらかじめウェブ会議の時間を決めておき、仕事がひと段落した時にまとめて連絡をするのも効果的な方法です。
これに加えて、家族からの邪魔が入らないよう環境を整える必要もあります。

 

仕事の時間を明確に区切ったり、仕事環境にパーテーションなどの導入を行ったりと工夫してみましょう。

小さな子どもがいる場合には、保育園やベビーシッターの手配ができるよう促すのも一つの方法です。

 

3. 仕事の詰め込みを避ける

せっかくテレワークに移行したのだからと、社員に対して多くのタスクを課すケースがあります。

しかし、仕事の量を増やせば生産性がアップするというものではありません。

 

人間の集中力には限界があります。オフィス以外の環境で働くのであればなおさらです。

長時間仕事をして休憩が取れなかったり睡眠時間が少なくなったりすると、能率はますます落ちてしまいます。

 

適宜休憩を取りながら定時に仕事を終えられるよう、仕事量のバランスをとりましょう。
また、社員が休憩や休日を通してリフレッシュできるようにすることも大切なポイントです。

 

オンとオフのメリハリがつきやすいよう、環境を調整しましょう。

 

4. 社員の働き方や評価方法を変える

従来の時間単位の働き方で能率が上がらない場合には、働き方のルールや評価の基準を変えてみましょう。

 

テレワークをするにあたって、時間単位で進捗を管理するのではなく、成果物や目標、達成基準などを示す方法に変更する企業は少なくありません。

この方法であれば社員は短い時間で濃い仕事をしようという意識をもつことができます。

 

また、仕事ぶりや仕事の時間ではなく、成果主義の評価を行うのも効果的です。成果を上げることを目標として社員が仕事に集中すれば、生産性はどんどん高まっていきます。

 

企業が万全の準備を行い、テレワークの生産性低下を防いでいきましょう

テレワークで生産性が低下する例は多いものですが、逆にテレワークへの移行で生産性をアップさせている企業もあります。

 

特に、社員のテレワーク環境を整えることやテレワークに適したルールを作ることは重要です。

ITツールを活用すれば、オフィスでの仕事と遜色ない環境を作ることができます。各ツールを上手に取り入れて、新しい働き方を確立させましょう。