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テレワークで役立つスマホ内線化とは?セキュリティ対策も
テレワークの導入を予定しているのなら、スマホやITサービスの活用を検討したいところです。法人スマホを同時に導入すれば、業務効率の大幅な改善を図れるでしょう。テレワークで役立つスマホ内線化やセキュリティ対策について解説します。
目次
スマホ内線化でオフィスと同じように電話対応
(出典) photo-ac.com
テレワーク中の電話取次ぎ問題を解決する方法としては、転送電話サービスや代行電話サービスがあります。しかし、これらの導入にはある程度のコストがかかるため、スマホの内線化がおすすめです。
スマホ内線化とは
固定電話の内線と同じように、スマホを会社の内線の1つとして扱えるようにすることが、スマホ内線化です。スマホ内線化の仕組みには、クラウドPBXとIP-PBXの2種類があります。
PBXとは、外線・内線の接続を制御する電話交換機の役割を持ったハードウエアです。クラウドPBXではPBXをクラウド上に設置し、IP-PBXでは自社内にPBXサーバーを設置します。
IP-PBXの主な費用はサーバーの設置やIP電話機購入などとなりますが、導入に時間がかかる上、運用・保守の責任を負わなければなりません。一方のクラウドPBXは月額利用料がかかるものの、導入までがスピーディーです。保守・運用の責任もベンダーが負います。
スマホで会社の電話番号を使うには
クラウドPBX、03番号取得サービス、FMC(Fixed Mobile Convergence)サービスなどでスマホを内線化すれば、固定電話と同様にスマホを会社の内線電話として使えます。スマホで会社の電話番号を使って発信・着信することも可能です。
PHSやコードレスなど従来の内線電話は、アンテナが届く範囲内でしか利用できませんでした。しかし、クラウドPBXならWi-Fi回線や5G・4G回線を使えるため、場所を問わずスマホを内線化できます。
03番号取得サービスは、市外局番「03」から始まる番号をスマホ使えるサービスで、固定電話番号を持っていることで信頼性が高まるメリットがあります。
FMCサービスは固定電話と携帯電話を連携させ、スマホを内線として使えるサービスです。携帯が使えるエリアであれば内線として使うことができる上、電話を携帯電話に一本化できるようになります。
どこにいても必要なファイルにアクセスできる
(出典) photo-ac.com
スマホを内線化すれば、テレワーク中の従業員でも必要なファイルへ簡単にアクセスできるようになります。具体的な仕組みを押さえておきましょう。
社内ファイルサーバーやNASへの接続
自社にファイルサーバーを設置している場合、一般的には社内ネットワークに接続して社内の端末からアクセスします。しかし、テレワークを導入するケースでは、社外からサーバーへアクセスする必要性も生じるでしょう。
インターネットを利用すれば、社外からも社内ファイルサーバーにアクセスすることが可能です。ネット経由で外部から社内サーバーへアクセスする方法としては、VPN・VDI・SaaSの利用が挙げられます。
また、ファイルサーバーでなくとも、NASを導入すれば外部から簡単に接続できます。NASとは、有線または無線でネットワークに接続してデータをやりとりできるHDDのことです。
クラウドサービスを活用
スマホから必要なファイルにアクセスしたい場合は、クラウドサービスを活用するのもおすすめです。クラウド上にデータを保管するため、ネット経由でどこからでもアクセスでき、災害対策にもなります。
ビジネスシーンでよく用いられている代表的なクラウドサービスがDropboxです。無料では2GBまでしか保存できませんが、有料プランを使えば必要に応じてストレージ容量を増やせます。
Dropboxにアクセスする端末は管理できるため、セキュリティ面でも安心です。デバイス管理だけでなく、従業員ごとのアクセス権限も自由に設定できます。
法人スマホの導入のメリット
(出典) photo-ac.com
テレワークでの業務の進め方や従業員とのコミュニケーションに課題を感じているのであれば、法人スマホの。テレワークでスマホを使うとよい理由や、個人携帯より法人スマホのほうがよい理由を解説します。
個人携帯の利用よりも安心・低コスト
従業員によっては、会社に無断で個人携帯を業務利用するケースがあります。この場合、個人携帯のセキュリティ管理は従業員に委ねられるため、個人携帯経由の情報漏洩や不正アクセスの可能性は否定できません。
会社が個人携帯の業務利用を許可するBYODを導入する場合も、個人携帯を公私混同で使ってしまうと、セキュリティリスクが高くなります。そのため、テレワークでスマホの使用が必要な場合は法人スマホの導入がおすすめです。
また、個人携帯を業務に使用した分の費用を会社が負担する場合、法人スマホを利用するよりも高額になるケースがあります。法人限定のかけ放題プランや契約台数による割引などを利用し、テレワーク中の通話や通信にかかるコストを削減しましょう。
いつどこにいても仕事が進められる
法人スマホを導入するメリットとしては、場所や時間を問わず業務を進められることも挙げられます。Wi-Fi回線や5G・4G回線につながってさえいれば、いつどこにいてもパソコンを開くことなくWeb会議に参加することが可能です。
外出先でパソコンを開くことになっても、スマホのテザリング機能を使えばパソコンをネットに接続できます。テザリング機能とは、スマホをWi-Fiルーターとして使えるようになる機能です。
テザリング機能はパスワードを設定でき、誰でも使える無料の公衆Wi-Fiよりも安全性が高いといえます。ただし、悪意のあるユーザーに推測されないよう、適切な文字列で設定することが重要です。
勤怠管理・業務報告もスムーズ
自社に勤怠管理システムを導入すれば、スマホでの打刻が可能になります。法人スマホと併せて活用することで、従業員の勤怠管理をスムーズに行えるようになるでしょう。
さらにチャットツールも導入することで、従業員とのコミュニケーションが希薄になりにくく、業務報告も手軽に行えます。
テレワークを始めると、勤怠管理や業務報告の課題が浮き彫りになりがちです。しかし、法人スマホや各種システム・ツールを上手に活用することで、テレワークの課題を解消しやすくなります。
スマホのセキュリティ対策
(出典) photo-ac.com
テレワークでスマホを業務利用する場合は、情報漏洩やウイルス感染、紛失などに注意しなければなりません。スマホの代表的なセキュリティ対策を紹介します。
キャリア提供のサービスの活用
会社が行えるスマホのセキュリティ対策としては、各携帯キャリアが提供するセキュリティサービスの活用が挙げられます。
例えば、ソフトバンクの「安心遠隔ロック」は、スマホの紛失・盗難時に会社のパソコンから遠隔操作でロックを行えるサービスです。第三者がスマホを操作できなくなります。
さらに「遠隔消去サービス」を利用できるようにしておけば、遠隔操作でスマホ内のデータを消去することも可能です。遠隔消去サービスの契約中は、紛失したスマホを捜索できるサービスも利用できます。
OSとアプリのアップデートなどが重要
スマホに搭載されているiOSやAndroid OSは、それぞれに固有のセキュリティリスクが存在します。OSのバージョンが古いまま放置しておくと、運営側がOSに施したセキュリティ対策が反映されません。
日々進化する外部の脅威に対抗するためには、OSやアプリの小まめなアップデートが必須です。
スマホはパソコン経由でもマルウェアに感染する恐れがあります。セキュリティ対策が不十分なパソコンにはむやみに接続しないようにしましょう。セキュリティアプリをインストールしておくのも対策の一つです。
MDMの導入
MDMとは、法人スマホのセキュリティ対策を一括で行えるシステムです。MDMを導入しておけば、スマホの紛失リスクや従業員のミス・不正リスクに備えられます。
MDMの種類によっては、OSのアップデート機能を持つ製品もあります。従業員にアップデートを指示するだけではばらつきが生じてしまいますが、会社がMDMで一括操作すれば、手間をかけずに常に最新バージョンを維持することが可能です。
MDMにMAM・MCMを統合したEMMを導入すれば、セキュリティの強化だけでなく業務効率の改善も図れます。さまざまなサービスを比較し、自社に合ったツールを見つけましょう。
まとめ
テレワークの開始に合わせてスマホを内線化すれば、スマホで会社の電話番号を使えるようになります。場所を問わず必要なファイルにアクセスできることもメリットです。
テレワークでスマホを活用するのであれば、法人スマホがおすすめです。法人スマホは個人携帯よりセキュリティを強化できる上、スマホにかかるコストも抑えられます。
通信コストの削減や業務効率化については、ベルパークに相談しましょう。ソフトバンク・au・ドコモに対応しており、会社の状況に合わせたプランの提案を行っています。