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法人携帯を契約するメリット。従来型携帯とスマホの比較も
各キャリアの携帯電話プランには、法人のみが申し込める『法人携帯(法人向けプラン)』があります。法人携帯は個人携帯と、どのような点が異なるのでしょうか?法人携帯の契約で享受できるメリットや契約の流れを解説します。
目次
法人携帯はディスカウントが受けられる
(出典) photo-ac.com
法人携帯には個人携帯にはない独自のプランが用意されているほか、契約回線数によってはディスカウントを受けられます。法人携帯を契約すれば、月々の通信コストを大きく抑えられる可能性が高いでしょう。
法人向けの格安プランとは
法人携帯の契約方法には『相対契約』があります。相対契約とはサービスの売り手と買い手が交渉によって価格を決定する方式です。
法人向けプランでディスカウントを受けられる理由は、複数台の契約を一度に獲得できるケースが大半で、1台当たりの単価を下げても提供側の利益につながるためです。
大口契約をする法人への優遇として、最安プランを自動適用とする内容の契約を結ぶケースもあります。この契約であれば、新たに安価なプランが登場したとき、既存の契約に縛られてプランを変更できないというデメリットがありません。
ビジネス向け通話定額プランの例
法人向けの代表的なプランの一つに、ビジネス向け通話定額プランがあります。基本使用料にプラスして使える割引サービスの一種で、一定の回線数まで社内間の国内通話が24時間無料になるのが特徴です。
例えば、ドコモでは『ギガプラン』『ケータイプラン』『はじめてスマホプラン』のいずれかを契約した法人は、『ビジネス通話割引』に申し込めます。
2回線以上1000回線までは定額料・通話料ともに0円なので、特に社員間での電話が多く毎月の通話料がかさむ部署では、月々の通話料を大幅に削減できるでしょう。
KDDIでは1番号当たり月々330円~をプラスすることで『ビジネス通話定額(au発信)』のプランに加入できます。auのスマホや携帯同士はもちろん、KDDIの固定電話への発信にも通話料がかかりません。
参考:
ビジネス通話割引 | ドコモビジネス|NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま
ビジネス通話定額 | 料金・割引 | au 法人・ビジネス向け | KDDI株式会社
法人携帯の導入でセキュリティー対策を強化
(出典) photo-ac.com
顧客情報や企業の機密情報を扱う法人携帯には、強固なセキュリティー対策が求められます。法人携帯を扱うキャリアでは、さまざまなセキュリティーリスクを想定したサービスを提供しており、個人向けよりも安全性が高い点が魅力です。
情報漏えいのリスクが軽減する
従業員が私物デバイスを業務で使用する形態は『BYOD(Bring Your Own Device)』と呼ばれます。使い慣れたデバイスを使った方が業務効率が上がるという声も耳にしますが、セキュリティー面において最善の選択肢とはいえません。
従業員が独自に導入したデバイスは会社の管理下に置かれていないため、必然的に情報漏えいのリスクが高まります。個人の裁量でインストールしたチャットアプリのアカウントが乗っ取られ、私物の端末から情報を盗まれるという可能性はゼロではありません。
各キャリアのセキュリティーサービスやMDM(Mobile Device Management)と呼ばれる一元管理システムを使えば、管理者側で機能を制御したりデバイスに遠隔でロックをかけたりできるため、情報の流出を未然に食い止められます。
端末の利用状況を確認できる
BYODを導入すると、管理者の目の届かないところで私的なチャットやメールを送る従業員が増えます。従業員の公私が曖昧になり、業務に支障を来す恐れもあるでしょう。
法人携帯のメリットは、契約した端末の利用状況が管理しやすい点にあります。キャリアのサービスによっては、端末ごとの利用明細がオンラインで確認できるため、法人携帯の私的利用を見つけるのも容易です。
KDDIのau料金管理サポートサービス『Bross.』は、法人携帯の請求データを活用し、サービスの集計や分析・最適な料金プランのシミュレーションができるサービスです。一括請求されている合計料金の内訳から、回線別の請求内訳・通話明細・請求金額別の分析 (電話番号別)といったデータをダウンロードできます。
参考:au料金管理サポートサービス | 料金・割引 | au 法人・ビジネス向け | KDDI株式会社
使い方に合わせたサービスが利用可能
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法人携帯には、個人携帯にはないさまざまなサービス・機能が付帯されています。必要な機能のみをピックアップできるため、月々のコストも最小限に抑えられます。会社の事情や使い方に合わせて、適切なサービスを選択しましょう。
端末の一元管理に便利な機能
ソフトバンクの法人携帯には、法人利用に特化したサービス『法人基本パック(月額522円/回線)』や『法人基本パックプラス(月額731円/回線)』があり、端末の一元管理に役立つオプションサービスが含まれています。
●位置ナビ一斉検索
●紛失ケータイ検索サービス
●安心遠隔ロック(スマートフォン基本パックでは『スマートフォン安心遠隔ロック』)
法人基本パックプラスには、さらに各種機能のオン・オフをカスタマイズできる『ケータイ制御機能』も付帯しています。カメラやメモリーカードの機能を制限すれば、情報漏えいのリスクを低減できるでしょう。
参考:
法人基本パック/法人基本パックプラス | オプション | モバイル | 法人のお客さま | ソフトバンク
端末レンタルサービス
法人携帯は購入だけではなくレンタルする方法もあり、導入時の費用を抑えたいときや、一時的に法人携帯を使いたいときに役に立ちます。レンタルの場合は会社の固定資産として計上する必要がなく、経理処理の手間がかかりません。必要なときだけ申し込みが可能なため、無駄な通信コストが発生しないのはレンタルのメリットです。
また、端末レンタルサービスには故障時のサポートが手厚いという特長があります。
ソフトバンクには端末レンタルサービス専用のヘルプデスクがあり、24時間(オプションサービス追加要)・365日体制で顧客をサポートしています。故障時は電話1本で端末の交換ができ、手間がかかりません。
KDDIの『モバイルレンタルプラス』は、故障発生の申告をした翌日に代替機が届きます。紛失・修理・バッテリー交換の都度費用が原則発生しないため、安心して利用できます。
参考:
端末レンタルサービス | モバイル | 法人のお客さま | ソフトバンク
モバイルレンタルプラス | モバイル | au 法人・ビジネス向け | KDDI株式会社
従業員から見た法人携帯のメリット
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法人携帯の導入を検討する際は、会社の都合だけでなく、従業員にどのようなメリットがあるかも考えましょう。携帯電話を使用する従業員はもちろんのこと、月々の料金を精算する経理担当者にも多くの利点があります。
従業員自身の個人情報を守れる
法人携帯を導入すれば、プライベートでも使用する個人の電話番号を取引先や顧客に伝える必要がなくなり、従業員の満足度の向上につながります。
『帰宅前に法人携帯を回収する』『業務時間以外は法人携帯の電源をオフにする』などの社内ルールを設けることで、仕事とプライベートの線引きが明確になり、公私混同のストレスからも解放されるでしょう。
通話料請求の手間を省ける
個人携帯を業務で使用する場合、経理部門は従業員ごとに月々の明細をチェックして、精算作業をする必要があります。従業員が増えれば増えるほど経理部門の業務負担は増大し、計算ミスも多くなるでしょう。
また、個人携帯を使っている従業員の中には、月々の経費精算の申請に煩わしさを感じる人も多いはずです。携帯電話の全利用明細から、業務利用に当たる部分のみを抽出して申請しなければなりません。
一方、法人携帯は契約回線数を問わず、法人名義による一括請求が基本です。月々の精算作業が発生しない上、従業員ごとの個別の明細もチェックできます。
経理業務が簡略化すれば、他の業務により多くの時間が割けるようになるでしょう。
スマホを選ぶメリット
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法人携帯の端末は、スマホと従来型携帯(ガラケーなど)に大別されます。スマホは従来型携帯に比べて、搭載されている機能が格段に多いのが特徴です。機能やアプリを使いこなせれば、業務効率が大きく向上するでしょう。
便利なアプリで業務が効率化する
スマホの最大のメリットともいえるのが、アプリによる業務の効率化です。通話のみであればガラケーで十分ですが、『オフィス以外で業務をする』『情報の共有漏れを防ぎたい』『チャットを利用する』という場合は、スマホの活用が便利です。
例えば、外回りの多い従業員には、地図アプリや乗り換えアプリが役立ちます。Dropboxのような情報共有アプリを導入すれば、パソコンがなくても資料の閲覧や編集ができるようになるでしょう。
また、管理アプリをインストールすることで、オフィス内にいないときも業務進捗の共有がタイムリーになります。
テザリング機能が使える
外出先でパソコンを使う場合、公共のフリーWi-Fiに接続するのは避けたいものです。暗号化されていないフリーWi-Fiへの接続によって、第三者に情報を盗み見されたり、パスワードを盗まれたりする危険性が存在します。
使用するデータ量の多さや利用時間によってはポケットWi-Fiが欠かせませんが、『パソコンでメールを送りたい』『添付ファイルをパソコン上で確認したい』という程度ならスマホのテザリングでも事足りるでしょう。
テザリングとは、データ通信ができるスマホをルーター代わりにしてインターネットに接続することです。契約プランにもよりますが、テザリング自体に追加料金はかかりません。スマホ以外の機器を持ち歩く必要がなく、荷物が増えないのもメリットです。
テレワーク、時間の有効活用が実現する
ITの進化により専用サービス・アプリを使って外出先から会議に参加したり、携帯で固定電話番号から発信したりできるようになりました。
また、業務効率の向上を目的にスマホとグループウエアを組み合わせるケースも少なくありません。
グループウエアとは、社内のコミュニケーションや業務を円滑にするためのソフトウエアです。グループウエアの主な機能には以下のようなものがあります。
●スケジュール管理・タスク管理
●ファイルの共有
●ビジネスチャット
●連絡先・住所録の管理
スマホでグループウエアにアクセスすれば、どこにいてもリアルタイムに情報の共有ができます。
従来型携帯を選ぶメリット
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従来型携帯には『ガラケー』や『ガラホ』があります。どちらもスマホに比べて機能は限定されており、通話やメールが主な用途です。従来型携帯を選択する個人は減少しつつあるもの、法人ではいまだ根強い人気があります。スマホと比較して、どのような点が優れているのでしょうか?
スマホよりも安価
数十人単位で法人携帯を利用する会社では、できるだけリーズナブルなプランを選択してコストダウンするのが理想です。従来型携帯のシンプルな料金プランでは、スマホよりも通信コストが安く抑えられる可能性が高いでしょう。
プランは『通話のみ』と『通話とデータ通信』に大別されます。通話のみのプランであれば、月々1,000円前後に収まるケースも珍しくありません。ソフトバンクの『ケータイ通話プラン(通話のみ)』は月々1185円/回線で、通話従量制は22円/30秒です。
参考:ケータイ 料金プラン | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
機能が限定的で管理が楽
従来型携帯は操作や管理の容易さもメリットです。
ウェブアクセスやデータのやりとりなどを行うスマホの場合、十分なセキュリティー対策を講じなければ、不正アクセスやサイバー攻撃などによる情報漏えいが起こり得ます。
不要なアプリがインストールされていないか・業務に関連のないサイトにアクセスしていないかなどに常に目を光らせなければならず、管理者側の苦労は絶えません。
その点、従来型携帯は扱えるデータが一部に限られることから、情報漏えいのリスクは大きく低減します。機能を通話のみに制限すれば、安全性はより高まるでしょう。
テザリングなしでPCを使う方法も
従来型携帯ではテザリング機能が使えません。ただ、外でパソコンを使いたい場合は、SIMスロットを搭載したパソコンに専用のSIMカードを挿入すれば、テザリングなしで手軽にインターネット通信ができるようになります。
ベルパークでは、ソフトバンク回線の『BellSIM』を取り扱っています。月々1,078円~で、2Gから50GBまでの4プランから選択が可能です。
●2GB:1,078円
●5GB:2,178円
●20GB:3,278円
●50GB:4,378円
安くてリーズナブルなSIMカードスロット搭載ノートパソコンも取り扱っています。導入に関しては、ベルパークの担当者に一度ご相談ください。
法人携帯の契約方法
(出典) photo-ac.com
法人携帯は個人携帯の契約とは異なる点が多いため、契約の流れを確認しておきましょう。また、法人携帯に特化した代理店を通じて契約する利点も解説します。
店舗に出向かなくても契約が可能
代理店と契約する場合、代理店の担当者が会社を訪問するケースが多く、キャリアショップに出向く必要がありません。
代理店への問い合わせから契約完了までの大まかな流れは以下の通りです。
1.電話または問い合わせフォームから連絡
2.プランの提案と見積もりの提示
3.担当スタッフが会社を訪問し、プランの詳細を説明
4.契約
5.端末の納品と回線の切り替え
参考:法人携帯はソフトバンク:中小規模法人、中堅・中小企業のお客さま | ソフトバンク
代理店契約は法人向けサポートが魅力
法人携帯の契約はキャリアのウェブサイトから直接申し込むこともできますが、代理店契約のメリットは、法人携帯に精通した担当者から最適なプランの提案を受けられる点です。
キャリアのウェブサイトから申し込みをする場合は電話によるサポートが受けられますが、対面の方が意思疎通はしやすいでしょう。
また、代理店契約では、キャリアのウェブサイトにはない特別なプランが用意されており、毎月の通信コストが大きく節約できるケースがほとんどです。導入後のサポートも手厚く、トラブルが発生したときも迅速な対応を望めます。
ベルパークでも、法人向け特別プランを用意しています。法人携帯のセキュリティー対策を強化したい、通信コストを下げたいなど、お気軽にご相談ください。企業ごとに違う状況をヒアリングしながら、最適なプランを提案します。
まとめ
法人携帯と個人携帯は、契約方法や料金プラン・サービス内容などが異なります。個人の携帯を業務に使用している会社もありますが、法人契約に切り替えた方がコストが安く抑えられる可能性がある上、セキュリティーの面でも安心です。
法人携帯の種類には、スマホと従来型携帯の2パターンがあります。従業員の意見も聞き入れながら、業務に使いやすい方を選びましょう。
法人携帯やプランの選び方が分からないという場合は、代理店契約の担当者に相談することをおすすめします。これまでの導入事例から、適切なプランの提案を受けられるのがメリットです。