投稿日：2023.06.22 更新日：2024.07.10

• 業務効率化

2024年問題とは｜具体的な罰則と対応策

2024年問題とは

2024年問題は、働き方改革関連法案の施行に合わせて、時間外労働の上限規制や割増賃金率の引き上げなどによって生じる様々な課題を指します。この問題は、使用者と労働者双方の面で各業界に大きな影響を与えることが予想されます。今回は、2024年問題の概要から具体的な罰則と対応策についてご紹介します。

時間外労働上限規制

時間外労働上限規制は、労働者の健康や労働環境の改善を図ることを目的として規定されました。2024年4月1日以降、月間と年間の時間外労働時間に上限が定められます。
※36協定の合意や業種により時間に差異があります。

月60時間超の時間外労働への割増賃金引上げ

労働時間の上限規制と併せて割増賃金の割合引き上げにも注意が必要です。

2023年4月1日から労働者の過重労働を防止し、労働条件の改善を促すために企業規模を問わず、時間外労働が月60時間を超えた場合、50％以上の割増賃金の支払い義務が適用されています。

人件費が大きく増加する可能性があるため、各企業の管理者は注意が必要です。残業の多い建設業や物流中小企業への影響は大きく、収益の減少が懸念されます。

勤務間インターバル制度

勤務間インターバル制度は、労働者の疲労蓄積や過労の防止を図るために、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間（インターバル）を設ける制度です。

労働者の「一定時間以上の休息時間」は、これまで「8時間以上」の確保が必要とされていました。この規定が「継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らないとする」と改正され、2024年4月1日から適用されます。

業界別2024年問題の影響

2024年問題は、様々な業界に影響を及ぼす重要な課題です。特に物流業界と建設業界は、この問題によって直面する影響が大きいと言われています。

物流業

物流業界においては、上限規制によりドライバーの労働時間確保が困難になり荷受量の抑制や、収入減による離職率の増加が想定されます。人員を確保したいはずが対策を講じないことで、会社の売り上げが減ることにもつながりかねません。回避するためには従業員の労働時間管理や運行効率の向上に関する取り組みが求められます。

建設業

建設業界においても2024年問題は重要な影響を与えます。2024年3月までは猶予期間があるため「36協定」を締結し届け出があれば、残業に上限の規制はなく、法定労働時間を超過しても罰則はありませんでした。2024年4月以降は「災害からの復旧・復興のための業務」を除き、時間外労働時間に罰則付きで上限が設けられます。建設業界でも、この問題に対して積極的な対策を講じることが必要です。

違反したらどうなるの？

2024年問題に関連する法令に違反した場合、厳しい罰則が科されることもあります。

時間外労働超過：6か⽉以下の懲役または30万円以下の罰⾦
時間外労働への割増賃金引上げ：原則なしだが、時間外労働の賃金アップ（最大50%以上）
勤務間インターバル制度：努力義務の為、現状は罰則なし（労働者の負担アップ）

法的なコンプライアンスを守ることは、企業や従業員にとって重要な責任です。

2024年問題の対応に有効な3ポイント

①勤怠管理システムの導入

正確な労働時間の把握や管理を行うために、勤怠管理システムの導入が有効です。従業員の勤務時間や休憩時間を適切に管理することで、適正な労働時間で業務を遂行できます。

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②チャットツールで連絡の効率化

情報共有とコミュニケーションの円滑化は、問題解決と迅速な対応に不可欠です。チャットツールの活用により、リアルタイムでの連絡やファイル共有、グループチャットなどを行い、円滑な意思決定と事業運営を実現しましょう。

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③管理帳票のクラウド化で業務効率UP

IT機器を使用して紙をクラウド化(電子化)することで手間を省くこともできます。運行管理表やアルコールチェック簿など、紙媒体で管理していることが多い帳票を、スマートフォンなどを使用してクラウド化(電子化)すると管理上の手間を削減することができるでしょう。

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まとめ

2024年問題への対応は業界全体の取り組みが求められます。企業や従業員は早めの対策を講じることで、スムーズな業務運営と法的なコンプライアンスの確保を目指しましょう。さらに、業界団体や関係機関との連携や情報共有も重要です。2024年問題に対する理解と対策によって、将来に向けた健全な成長を遂げることができるでしょう。