社員が会社携帯を紛失。会社の適切な対応方法とは

法人携帯

警視庁が発表した「遺失物取扱状況」によると、令和2年に警察に届け出のあった携帯電話の紛失は約17万件にも及びます。[注1]

 

[注1]警視庁:遺失物取扱状況(令和2年中)

 

そのうち約11万件は無事に発見されていますが、残りの約6万件は見つからないまま。携帯電話を紛失してしまうと約35%は戻ってこないのです。
会社携帯を支給するときは「紛失するかもしれない」「戻ってこないかもしれない」という心構えを持ち、万が一の紛失に備えて準備しておくことが大事です。

 

今回は社員が会社携帯を紛失したときの適切な対応方法と、紛失に備えた対策について解説します。

 

 

社員が会社携帯を紛失したときに取るべき5つの対応

社員が会社携帯を紛失した時には、次に紹介する5つの手順を迅速にこなしていきましょう。

 

すみやかに正確な情報を把握する

会社携帯を紛失した社員がいた場合は、すぐに会社に報告するように徹底させておきましょう。
また、下記のような情報を詳細に聴取しておくことも大切です。

どのようなデータが携帯に保存されていたか (例)顧客の個人情報、メールでのやり取り、社外秘の文書データなど
データはどのように管理されていたか (例)暗号化やパスワード保護の状態など
紛失した環境 (例)いつどこで紛失したか

不確かな情報に基づいて対応するとかえって混乱を招くため、正確な情報収集が重要です。

 

携帯電話会社の紛失・盗難サポートへ連絡する

会社携帯を紛失した際には、携帯電話会社の紛失・盗難サポートへ連絡して、「位置情報の検索」で携帯を探してみましょう。

電源を切っている場合や圏外にある場合でも、おおよその位置を調べることができます。

 

また、「回線の一時停止」や「遠隔ロック」を利用し、悪意のある第三者による操作を防ぐことも大切です。

 

警察や施設管理者などへ届け出る

携帯の利用を停止した上で、警察に「遺失届」を提出します。
紛失した日時や場所、紛失した携帯の特徴などを記入する必要があるため、記憶の薄れないうちに、すみやかに提出しておきましょう。

 

また、駅や飲食店など携帯を紛失した可能性が高い施設がある場合は、管理者に連絡しておくことも大切です。紛失してすぐの段階では、警察ではなく施設に届けられていることがあります。

 

情報流出のリスクがある顧客への報告と謝罪を行う

顧客の個人情報が流出する可能性がある場合は、その顧客に対し迅速に報告と謝罪を行います。
この報告が遅れると、顧客の対応が遅れて多大な損害を与える可能性があると同時に、会社の信用が下がってしまいます。誠実な対応を心掛けましょう。

 

社会に対しての謝罪や情報開示に取り組む

全ての関係者に個別に連絡するのが難しい場合や情報漏洩が社会に影響を及ぼす場合には、会社の説明責任を果たすため、ホームページや記者会見などを通じて社会に対しての謝罪や情報開示に取り組みます。

 

同時に被害を受けた方に対応できるよう専用の相談窓口を設置することもあります。

 

会社携帯の紛失に備えた対策

会社携帯を社員に支給するときには「紛失するかもしれない」と想定しておくことが大切です。
ここでは、会社携帯を紛失しても被害を最小限に食い止める対策をご紹介します。

 

セキュリティ対策に取り組む

携帯のセキュリティ対策としては、暗証番号による機能ロックが効果を発揮します。

また、契約者情報が記録されているSIMカードが悪用されないよう、PINコードによるロックをかけておくのも良いでしょう。

 

なお、SDカードなどの拡張メモリに記録したデータは消去しても復元される可能性があります。重要なデータを保存するのはやめましょう。
また、紛失して困るようなデータはバックアップを取っておくことも大切です。USBやCD-ROM、オンラインストレージなどの記録媒体をうまく活用してください。

 

もちろん、これらのセキュリティ対策が甘いと元も子もありません。きちんとデータを管理できる媒体を選びましょう。

 

端末にデータを残さない

個人情報はクラウド電話帳に保存し、携帯端末にデータを残さないのも紛失した際の被害を小さくする方法です。

 

クラウド電話帳とは、社員や顧客の連絡先をクラウド上で管理できるサービスのこと。端末にはデータが残っていないため、万が一携帯を紛失した際にもクラウド電話帳へのアクセス制限をかければ個人情報が流出するのを防げます

 

MDMで会社が社員の端末を管理する

会社携帯のセキュリティ・紛失対策として、MDM(モバイルデバイス管理)の活用も効果が期待できます。

 

MDMであれば、リモートで会社携帯の動作をロックできるため、携帯電話の紛失が発生しても情報の流出する可能性を抑えられます

また、紛失した携帯電話のデータを遠隔で削除できるリモートワイプ機能を使えば、流出の恐れがあるデータを遠隔で削除可能です。

 

会社携帯は紛失する前提での対策が大切

社員が会社携帯を紛失した際には、次の5つの手順を速やかに遂行します。

 

1.すみやかに正確な情報を把握する
2.携帯電話会社の紛失・盗難サポートへ連絡する
3.警察や施設管理者などへ届け出る
4.情報流出のリスクがある顧客への報告と謝罪を行う
5.社会に対しての謝罪や情報開示に取り組む

 

これらの対応が遅れると、自社や顧客の損害が大きくなるとともに、会社の社会的な信用も低下してしまいます。

 

また、会社携帯は「紛失するかもしれない」という前提で対策を打っておくことも大切です。

 

パスワードやPINコードによるロックなどのセキュリティ対策で悪意のある第三者が携帯を操作するのを防ぐと同時に、クラウド電話帳などを利用して個人情報の流出を防げば、万が一携帯を紛失しても被害を最小限に食い止めることができるでしょう。