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コスト削減のメリット・ポイント・注意点を紹介します
コスト削減を成功させるためには、流れとポイントを押さえるのが重要。社員の気持ちを考えながら実施すると、成功確率も格段に向上します。
それではなぜ社員目線が必要なのか、コスト削減のポイントを探っていきましょう。
コスト削減で得られるメリット5つ
コスト削減では単に必要経費を削減して利益率を上げるだけでなく、次のようなメリットも得られます。
・社員が望む理想的な働き方の実現
・仕事への満足感向上
・社員のモチベーションアップ
・無駄のない業務によるサービス品質の向上
・資源を無駄にしない環境への配慮
これらのメリットについて、詳しく解説していきます。
働き方改革で社員の望む職場環境が実現できる
一番良いコスト削減方法は、業務内容を見直すことです。
業務の内容を見直すと出社回数を減らしたり、出社する必要のない業務は在宅ワークに切り替えたり、業務時間を削減したり働く環境に変化をもたらせる場合があります。
社員の中にはプライベートを尊重した働き方を望んでいる方もいます。
コスト削減で勤務スタイルを変えられれば、こうした社員の希望を反映させることができ、結果的に人件費削減・業務の効率化・働き方改革の3つを同時に達成できるのです。
本業に集中できる環境によって仕事に対する満足度が向上する
コスト削減の一つに、単純作業や簡単な作業を外部委託し、人件費削減を図る方法があります。
これは結果的に社員の集中力向上と、満足度アップにつながります。
例えば社内の清掃や給与計算、Webサイト制作などが挙げられます。
社内の重要なサービスや機密情報は自社の社員に任せ、そのほか外部に任せられそうな仕事は任せてしまいましょう。
これにより、社員はより責任感のある重要な業務に集中できます。自然と業務の質も上がっていくので、仕事への満足度アップの効果も見られるのです。
社員のモチベーション向上
これは先述した単純作業の業務委託により、社員がよりコア業務に集中できることから発生するメリットです。
そのため外部委託する業務は、社員がすでに無駄だと感じている業務を選択するのがおすすめ。
逆に社員がこだわりや責任を持ってしている業務を外部委託すると、やる気の低下を招く可能性も考えられます。
仕事の内容とそれによる成果を見つつ、外部委託する業務を決定しましょう。
業務の無駄を省くことでサービス品質が向上する
業務内容を改善すると、改善前よりも仕事が早く終わる事例が発生します。
ここで余った時間を新たな仕事ではなく、サービス向上のための時間(会議やアイデアの熟考など)に充てるとしましょう。
たった数分、数十分のことかもしれませんが、全社員が効率的に働けるようになると余裕が生まれ、全体としては大きな結果を生み出せるのです。
資源削減によって環境に配慮できる
コスト削減によるメリットには、会社外にもたらすメリットも含まれます。それが資源削減による環境への配慮です。
こちらも企業何社かが同時に実行すると、成果が積み重なり、全体として大きな成果になります。
例えばマニュアルをデジタル化することで、全社員に配る「1部20枚」のマニュアルをカットできたとします。
どの会社も社員が100名いると考えると、1社では2000枚。2社では4000枚。10社では20000枚のコピー用紙削減につながるのです。
コスト削減を成功させる4つのポイント
ではコスト削減を成功させるために、配慮すべき4つのポイントをご紹介します。
コスト削減を考える方は、これらの項目を頭の片隅に置きながら、進めてみてください。
まずはコスト削減の対象を発掘する
「コスト削減っていいな」のような、あやふやな感覚でコスト削減を実施するのはおすすめできません。
事例や成果ばかりに目が行き、本末転倒となることが多いからです。
まずは、なぜコスト削減が必要なのかを考えましょう。
経営が上手くいっていないからか、売上高を伸ばすためか、理由によって実施のスピードや変えるべき項目が変わります。
抽象的なイメージではなく、状況を考慮した現実的なコスト削減を考えるのが、成功の秘訣です。
社員の意見(現場の意見)を聞いてみる
実際に現場で働く社員の意見は、コスト削減のアイデアの宝庫です。
実際に業務をしていて「この作業いらないな」や「あっても無くても困らない」などの意見があるときは、コスト削減のチャンスです。
社員自身も煩わしさを感じているので、現場と協力しながらコスト削減を進められるのです。
自分の会社や部署もコスト削減を実施したいと思った際は、ぜひ社員・部下の方々の話を聞いてみてください。
具体的な目標を設定と綿密な計画の設定
実施するコスト削減策が具体的に決まったら、〇ヶ月後までに〇%削減と、明確な目標を立てましょう。
もちろん本業に影響を及ぼさない、無理のない範囲で設定します。
同時にそれを達成するために何が必要なのか、具体策の計画を立てます。
この計画は実施と共に、柔軟に変えていくのがおすすめ。計画にはどんどん意見を反映していきましょう。
既存システムの見直しを行う
すでにコスト削減の動きがあり、変革すべき箇所がない場合は、導入したシステムに無駄がないか再検討する方法をおすすめします。
例えば会計システムや勤怠管理システムなど、IT化が完了した箇所でも、新システムと入れ替えを行うことでコスト削減が実現できる可能性があります。
何かシステムを導入する場合は、定期的に新しい技術はないか、価格に変更なないか、より良いサービスがないか、定期的なチェックをおすすめします。
例えば法人携帯を導入することで携帯電話の管理コスト軽減につなげられます。
ビジネスでは個人の携帯も使用でき、経費として処理ができます。ですが、その際はビジネスで使用した分しか経費としては認められません。
多くの従業員から提出される明細を管理するとなると、多くのコストを割いてしまいまいます。
一方、法人携帯であれば法人宛に請求書が一括で発行されるうえに、使用した分すべてが経費として処理できる可能性もあります。
その結果、携帯電話の管理コストが削減でき、従業員は別の業務に集中できます。
こんなコスト削減は失敗する?コスト削減を行う際の注意点
コスト削減に失敗はつきもの。逆に数億円の削減を達成する企業の方が珍しい状況です。
そこでなぜコスト削減は失敗するのか、失敗するかもしれないコスト削減についてご紹介します。
無理があるコスト削減目標は掲げない
コスト削減が失敗に終わってしまう企業は、実現不可能な目標を掲げてしまうことがほとんどです。
これは目標値の設定だけでなく、コスト削減を実施する項目の選択ミスも含みます。
・目標値は本業に支障をきたさない程度
・仕事内容を大きく変えるような項目は最初から選ばない
このように、コスト削減は仕事に影響が少ない範囲から行う、配慮が重要です。
現場への負担を増長させるコスト削減は実施しない
経営側が現場に無理を押し付けてしまうと、確実にコスト削減が立ち行かなくなります。
経営側や上司の立場でコスト削減を計画する際は、現場目線に立って対策を練るのがおすすめです。
・社員の声を聴く
・社員の意見をコスト削減策に反映する
以上の2点を重視すると、社員の理解も得た良いコスト削減が実施できます。
コスト削減成功のためには社員の立場から考える意識が大切
成功と失敗の両方のポイントを抑えると、コスト削減の成功率が上がることが分かりました。
初めてコスト削減を実施する際は、漠然とした目標ではなく、何をどうやって、どのくらい減らすのか、具体的な目標を掲げてみてください。